Project/Area Number |
19K08171
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52040:Radiological sciences-related
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Research Institution | Osaka Metropolitan University (2022-2023) Osaka Prefecture University (2021) Kyoto University (2019-2020) |
Principal Investigator |
増永 慎一郎 大阪公立大学, 研究推進機構, 客員研究員 (80238914)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真田 悠生 京都大学, 複合原子力科学研究所, 助教 (50738656)
田野 恵三 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 客員研究員 (00183468)
永澤 秀子 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (90207994)
光藤 健司 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (70303641)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 休止期腫瘍細胞 / 腫瘍不均一性 / 癌幹細胞性 / 温熱治療 / ホウ素中性子捕捉療法 / 化合物生物学的効果比 / p53 status / 腫瘍不均一性, / 放射線障害からの回復現象 / 低酸素誘導因子 / 低温度温熱処置 / 低酸素細胞毒 / 放射線損傷からの回復現象 / 腫瘍内微小環境 / 中性子捕捉療法 |
Outline of Research at the Start |
腫瘍内微小環境の不均一性は、低酸素や低血流低栄養状態の領域を生み、腫瘍細胞を休止期(Q)状態とし、放射線感受性や薬剤分布量を低下させ、治療後再発の可能性も高い。 予め10B化合物を投与し、病変部に中性子ビームを照射する中性子捕捉療法(BNCT)でも、病変部腫瘍の不均一性の影響を受ける。治療効果を高めるために、薬剤投与時及び中性子照射時に様々な手法を試行し、新規10B化合物を用いた際でも適応可能な解析手法を用いて治療効果を正しく評価し、BNCTの最適施行手法を探索する。 また、腫瘍不均一性や癌幹細胞性に関する特性解析所見を集積し、局所腫瘍制御と遠隔肺転移抑制を同時に目指すBNCTを含めた癌治療法の最適化を目指したい。
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Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究成果に基づくと、酸素化Q腫瘍細胞の特性は、DNA損傷からの回復能が大きく、休止期状態にあり治療抵抗性であるとされる癌幹細胞の特性と類似しており、病変部の腫瘍内または隣接する正常組織内にある血管の一時的な攣縮が原因で生じる急性低酸素領域を解除するTirapazamine (TPZ)の連続的投与や、DNA2重鎖切断の修復経路のうちの非相同末端結合を阻害するWortmanninの分割投与によって、酸素化Q腫瘍細胞の放射線照射後の回復現象が効率よく抑えられる事が判明している。即ち、腫瘍内の不均一性を緩和させる処置には、同時に癌幹細胞性の発現をも抑える潜在力があり得るという事が示唆された。 そこで今年度は、固形腫瘍内の免疫環境に影響し、腫瘍不均一性をある程度緩和させる作用もあると考えられている温熱処置を、臨床現場で使用されるラジオ波誘電加温装置を用いて実施した。治療標的腫瘍を有する患者に対して温熱治療を実施する際に、患者の体表と誘電加温電極との間に介在させるオーバーレイボーラス内に混入された空気の影響について、人体等価ファントムを加温する実験によって解析された。その結果,1) オーバーレイボーラス内への空気混入がない際には,加温時の出力が大きいほど加温効率が高く,2) オーバーレイボーラス内への空気混入量が多いほど,加温効率が低下し,出力が大きいほどこの低下がより顕著になり,3) 加温時出力が大きいほど,オーバーレイボーラス内への空気混入量が多いほど,加温領域内の温度のばらつきが顕著になるという傾向が見られた。以上より,加温効率の低下を防ぎ,標的病変部を均一に加温するためには,オーバーレイボーラス内へ混入した空気を除去するべきである事が明示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
これまでの「低酸素、DNA損傷からの回復能の視点から、腫瘍内不均一性、Q腫瘍細胞分画特性、癌幹細胞性の間の相互関連の解析」から、「腫瘍内の不均一性を緩和させる作用や処置には、癌幹細胞性の発現をも抑える潜在力があり得る」という事も示唆された。 固形腫瘍内の免疫環境に影響し、腫瘍不均一性をある程度緩和させる作用もあると考えられている温熱処置をラジオ波誘電加温装置を用いて臨床現場にて効率的に実施するためには,加温病変部を均一に加温するためにも,オーバーレイボーラス内へ混入した空気を除去するべきである事が令和5年度に明示された。 次年度は、ラジオ波誘電加温装置を担悪性腫瘍患者に対して用いる際にしばしば見受けられる誘電加温電極と患者体表面との接触面での痛みを緩和するために、この接触面に挟み込まれるガーゼなどの介在物の存在が加温効率に及ぼす影響に関して、人体等価ファントムを加温する実験によって解析することを予定している。
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Strategy for Future Research Activity |
我々が考案した酸素化Q腫瘍細胞の挙動を選択的に検出するための手法を用いて、化学療法やBNCTの効果をさらに詳細に解析することによって、癌幹細胞性、腫瘍内環境の不均一性、Q腫瘍細胞集団の特性、との相互関係をある程度明らかにできると考えている。 固形腫瘍内の免疫環境に影響し、腫瘍不均一性を解除させる作用も有すると考えられている温熱処置を、臨床現場にて効率的に実施するためには、ラジオ波誘電加温装置のオーバーレイボーラス内へ混入した空気を除去するべきである事が令和5年度に明示された。 次年度は、ラジオ波誘電加温装置を担悪性腫瘍患者に対して用いる際にしばしば見られる加温電極と患者体表面との接触面での痛みを緩和するために、この接触面に挟み込まれるガーゼなどの介在物の存在が加温効率に及ぼす影響に関する解析を予定している。
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