エンテロウイルスD68感染による重症気管支喘息発作発症の解明および治療法の開発
Project/Area Number |
19K08301
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52050:Embryonic medicine and pediatrics-related
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Research Institution | Kyorin University (2022) Yamaguchi University (2019-2021) |
Principal Investigator |
安戸 裕貴 杏林大学, 医学部, 准教授 (70422285)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
脇口 宏之 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (00716590)
松重 武志 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (60528941)
長谷川 俊史 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (90314806)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | エンテロウイルス / 気管支喘息 / 生物学的製剤 / エンテロウイルスD68 / サイトカイン / 抗体療法 / エンテロウィルスD68 |
Outline of Research at the Start |
近年、国内外においてエンテロウイルスD68(EV-D68)感染の流行に伴う重症呼吸器感染・重症気管支喘息発作が多数報告されているが、治療法や予防法は未だ確立されてない。 本研究では、重症呼吸器感染・重症気管支喘息発作に関与するサイトカインを気道上皮細胞および、気管支喘息モデルマウスを用いることにより、病態に関与するサイトカインを標的とする予防法・治療法の開発を行う。また、 EV-D68その他のウイルス感染に伴う重症気管支喘息発作等への臨床応用を通して、ウイルス全般による重症気管支喘息発作等に対する新しい治療法・予防法を確立することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
1. 気管支喘息モデルマウスを用いた in vivo におけるエンテロウイルス(EV)-D68 感染による気道抵抗・肺への影響;EV-D68マウス馴化株は、山口環境保健センターで現在作成を試みているが、2020年3月以降コロナウイルス感染症に対する対応に追われており、2023年3月31日の時点でマウス馴化株は作成されていない。 2. ステロイドによる予防投与およびサイトカインを標的とする予防法・治療法の開発;健常人由来の気道上皮細胞にIL-4を投与したTH2環境下において、上清中のIL-6,IL-8, IL-1βの産生、およびウイルス力価がデキサメタゾン濃度依存的に抑えられている事が判明し、ステロイド予防的投与は、気道上皮におけるEV-D68感染を抑制する効果があることが示唆されており、本内容について現在論文投稿準備中である。 3. 他のウイルス感染に対する重症呼吸器感染症に対する抗体療法の効果を評価するため、新型インフルエンザウイルス(A (H1N1) pdm09)マウス馴化株を用いた気管支喘息モデルに対し、感染24時間後にanti-IgE抗体の単回投与により、気道抵抗の増加が抑制される事が判明した。そのメカニズムとして、anti-IgE抗体を感染後に投与することにより、主気管支レベルにおいて、ムチンなどの分泌の低下、気道閉塞の大幅な改善が認められた。以上のことから新型インフルエンザウイルス (A (H1N1) pdm09)感染による気管支喘息の増悪に対して感染後のanti-IgE抗体投与により気道の重篤な閉塞が改善されることが示唆された。 以上を元に現在投稿準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
山口環境保健センターからの報告では、EV-D68マウス馴化株は未だ作成されていない。そ のため、気管支喘息モデルマウスを用いた標的サイトカインの選定、抗体療法による有効性の評価については着手できていない。 一方、インフルエンザウイルス (A (H1N1) pdm09)マウス馴化株を用いた重症気管支喘息感染マウスモデルにおいては、anti-IgE抗体を感染後に投与することにより気道の閉塞が改善され、喘息症状が軽快するという知見は得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
EV-D68マウス馴化株については、山口環境保健センターでのマウス馴化株の作成に至っていない。引き続きマウス馴化株の作成に取り組む予定である。 また、他のウイルス感染に対する重症呼吸器感染症に対するサイトカインを標的とした抗体療法の評価として、新型インフルエンザウイルス (A (H1N1) pdm09)マウス馴化株を用いた気管支喘息モデルに対する急性期のanti-IgE抗体投与による気管支喘息への治療効果以外に、anti-IL4抗体, anti-IL5抗体についても、同様に治療効果の評価を行う予定である。
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Report
(4 results)
Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Enhanced airway hyperresponsiveness in asthmatic children and mice with A(H1N1)pdm09 infection.2021
Author(s)
Taira Ariyoshi, Junichiro Tezuka, Hiroki Yasudo, Yasufumi Sakata, Tamaki Nakamura 1, Takeshi Matsushige, Hideki Hasegawa, Noriko Nakajima, Akira Ainai, Atsunori Oga, Hiroshi Itoh, Komei Shirabe, Shoichi Toda, Ryo Atsuta, Shouichi Ohga, Shunji Hasegawa
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Journal Title
Immunity, Inflammation and Disease
Volume: 9
Issue: 2
Pages: 457-465
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] 小児気管支喘息患児における急性増悪入院と病原体との関連性について 複数年の検討から2020
Author(s)
安戸 裕貴, 安部 希, 中村 圭李, 脇口 宏之, 岡崎 史子, 調 恒明, 戸田 昌一, 岡本 玲子, 尾内 一信, 大賀 正一, 長谷川 俊史
Organizer
第52回日本小児感染症学会総会・学術集会
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[Presentation] Mechanisms of asthma(Enhanced airway hyperresponsiveness in a mouse model of asthma with A (H1N1) pdm09 infection)2020
Author(s)
Yasudo Hiroki, Ariyoshi Taira, Sakata Yasufumi, Nakamura Tamaki, Matsushige Takeshi, Hasegawa Hideki, Nakajima Noriko, Ainai Akira, Oga Atsunori, Itoh Hiroshi, Shirabe Komei, Toda Shoichi, Atsuta Ryo, Ohga Shouichi, Hasegawa Shunji
Organizer
JSA/WAO Joint Congress 2020
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