Serrated polyposis症候群の原因遺伝子と発癌機序の解明
Project/Area Number |
19K08471
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 53010:Gastroenterology-related
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
岡本 耕一 徳島大学, 病院, 講師 (60531374)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高山 哲治 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (10284994)
中村 文香 徳島大学, 病院, 特任助教 (70793743)
六車 直樹 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 准教授 (90325283)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2021: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2019: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | 鋸歯状ポリポーシス症候群 / serrated pathway / SPS / BRAF |
Outline of Research at the Start |
本研究では、Serrated polyposis syndrome (以下SPS) SPS症例の多数のポリープにおける各種遺伝子異常を明らかにするとともに、大腸癌合併症例における鋸歯状ポリープ部分及び癌部分の遺伝子異常を明らかにする。同様に、合併した他臓器癌の遺伝子異常を明らかにする。つまり、どのような遺伝子変異の蓄積、パスウェイにより発癌するのかを明らかにする。次いで、明らかに遺伝性のあるSPS症例を対象に、次世代シークエンサーを用いて末梢血DNAの全エクソーム解析を行い、原因遺伝子を同定する。
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Outline of Annual Research Achievements |
当院で鋸歯状ポリポーシス症候群(SPS)と診断した35症例を対象とした。男女比23:12、SPS診断時の平均年齢 61.1±9.8歳。大腸癌を合併したSPS症例16例のうち、13症例17病変に対し、RAS、BRAF、APC、β-catenin、p53遺伝子変異解析、MSI解析、免疫組織化学検査(p53、MLH1)を行った。SPSにおける大腸癌合併率は46%(16/35)であり、男女比11:5、大腸癌診断時の平均年齢は58.8±9.6歳であった。adenomaの合併率は74%(26/35)、個数中央値は1であり、adenomaを有する症例では大腸癌の合併率が有意に高かった。単変量解析では、その他に年齢、性、診断criteria、ポリープの分布、他臓器癌の既往などは有意差を認めなかった。癌を合併するリスクを多変量解析により検討したところ、同様にadenomaの存在が高リスク(OR30)を示した。大腸癌症例のSPS診断以降は、10mm以上のHP、5mm以上のSSL、TSA、adenomaを切除し、以降は1-2年ごとにフォローアップの方針としているが、現時点で新たな癌は認めていない。癌組織の遺伝子解析では、4病変がserrated pathwayのMSS癌、1病変がMSI-H癌、9病変がadenoma-carcinoma sequenceによる発癌が強く示唆された。SPSにおける大腸癌の合併率は46%と高かった。SPSにおけるadenomaの合併は64%と高く、大腸癌のリスク因子であることが示唆された。SPSに合併する大腸癌は、serrated-carcinoma pathway(29%)のみならず、adenoma-carcinoma sequence(53%)も少なからず存在し、SPのみならずadenomaも切除する重要性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和2年度は当初の計画では、明らかに遺伝性を有するSPS症例及び家族の末梢血からDNAを抽出し、次世代シークエンサーを用いた全エクソームシークエンスを行い、遺伝子異常を同定する予定であった。しかし、現段階で35症例ではあるが、明らかに遺伝性を有するSPS症例を同定できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
更にSPS症例を集積し、明らかに遺伝性を有するSPS症例を探索する。更に末梢血からDNAを抽出し、次世代シークエンサーを用いた全エクソームシークエンスを行い、遺伝子異常を同定する。得られたシークエンス結果について、既報の日本人のエクソームの配列 (1,000人ゲノムプロジェクト等) と比較検討を行う。遺伝子に欠失やフレームシフト変異・ナンセンス変異、蛋白質の機能に影響を与えるようなミスセンス変異等の遺伝子の異常について、LOVDやClin Varなどのデータベースを用いて病的意義があるかどうかを検討する。また、得られた遺伝子異常とポリープや癌の体細胞変異を比較することにより、どのような機序 (パスウェイ) で発癌したかを明らかにする。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)