培養脂腺細胞の分泌膜小胞セボゾームの生成と周辺細胞への脂質供給機構
Project/Area Number |
19K08751
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 53050:Dermatology-related
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
永井 彩子 愛媛大学, 医学部附属病院, 助教(病院教員) (90420562)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2019: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | 分泌膜小胞 / セボゾーム / 脂腺細胞 |
Outline of Research at the Start |
皮脂腺は多量の皮脂を分泌して、皮膚の重要な保護機能を持つが、培養が困難で、皮脂合成や分泌の活性化機構も不明な点が多い。 申請者らは、ラット脂腺細胞の長期間の初代培養に成功し、同細胞が生成分泌する新規の分泌膜小胞を発見し「セボゾーム」と命名した。これは特異的なスクアレンを含む脂質顆粒および抗菌活性を持つヒストンH3など特徴を持ち、自然免疫機能の活性にとっても重要と考えられる。また、周辺組織への情報伝送経路としての役割もありえよう。 本研究では、セボゾームの構成分子の詳細や、同分子の局在化、周辺細胞への移送の分子機構を調べる。
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Outline of Annual Research Achievements |
脂腺細胞は、スクアレンなどの脂質を合成し、皮脂として皮膚表面に分泌する。我々は、ラットの脂腺細胞を培養したところ、脂質顆粒を含む膜小胞を活発に生成・分泌することを発見して、同膜小胞を「セボゾーム」と命名した(Endocrinology 2005年)。これまでにセボゾームはリサイクリングおよび、早期-後期エンドソーム、リソソーム、脂質ラフトなどを含有する新型の複合膜系であること、セボゾームはスクアレンやヒストンを濃縮しており、保湿機能に加え、抗菌活性を持つことが示唆された。今回、マウスの脂腺細胞の初代培養細胞から生成分泌されたセボゾームを用い、動物種間の相違を比較検討した。 【方法】初代培養の脂腺細胞はマウスC57BL6J、ラットWisterのオス包皮組織よりそれぞれ培養し、EGF添加D'MEMで培養維持した。蛍光脂肪酸、蛍光コレステロール、蛍光標識コレラトキシンB(蛍光ラフトマーカー)、リソトラッカーを用い、脂質顆粒、脂質ラフト、リソソームのセボゾームへの分布を蛍光顕微鏡にて比較検討した。 【結果】マウス脂腺細胞はラットに比べ培養が困難であったが、ラットと同様にセボゾームを生成分泌した。蛍光脂肪酸、蛍光コレステロール、蛍光標識コレラトキシンB、リソトラッカーにより、それぞれ、脂質顆粒、脂質ラフト、リソソームが染色され、マウス、ラットの脂腺細胞およびセボゾームで検出された。 【結論】ラットセボゾームに特徴的に認められた脂質顆粒、脂質ラフト、リソソームなどのセボゾーム構成成分は、マウスセボゾームでも同様に染色された。したがって、セボゾームはラットに特有な分泌膜小胞ではなく、マウスでも認められ、多種間で共通にみられる分泌膜小胞である可能性が考えられた。また、細胞小器官等の染色パターンからマウスセボゾームでもラットと同様の構成成分を持つことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染拡大をきっかけに、研究に必要な試薬・消耗品も高騰し、納期も不安定になった。重ねて、大学内研究施設等の機器の故障等、研究環境も変化し、現状に合わせて実験予定の変更を余儀なくされた。新型コロナウイルスの5類移行以後も、研究以外の診療などの日常業務は対策をしながらの対応であり、研究の進行状況に遅れを生じている。また、発表を予定していた学会が現地対面開催のみになったが、新型コロナウイルス感染蔓延状況が落ち着いていなかったため、新型コロナウイルス感染防止の観点から、残念ながら学会への参加・発表を見合わせざるを得なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度も新型コロナウイルス感染拡大後の試薬・消耗品などの価格高騰は改善しなかったが、令和6年度は研究に必要な物品を厳選し、計画的な調達に努める。 感染拡大の度重なる再燃の間に、共通機器、学内研究施設の内容なども変更されたため、現状で活用できる機器、施設を用いる研究体制に変更し進めているところである。膜動態に注目したセボゾームの形成機構を中心に研究を進めていく予定である。学会発表の場でも本研究の特異性は高く評価されており、データの整理等のまとめを並行して行っていく。
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Report
(5 results)
Research Products
(3 results)