Project/Area Number |
19K09496
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56010:Neurosurgery-related
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中山 若樹 北海道大学, 医学研究院, 講師 (40421961)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊東 雅基 北海道大学, 医学研究院, 客員研究員 (10399850)
杉山 拓 北海道大学, 大学病院, 助教 (70748863)
寳金 清博 北海道大学, 保健科学研究院, 特任教授 (90229146)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 脳動脈瘤 / 動物モデル / くも膜下出血 / 壁在血栓 / 脳動脈瘤破裂 / 脳動脈瘤壁在血栓 / 流体解析 / 脳動脈瘤動物モデル |
Outline of Research at the Start |
ヒトの脳動脈瘤において、瘤壁には非常に菲薄化して脆弱な部分もあれば、動脈硬化に類似した変化で厚くなっている部分も混在している。また、最も破裂につながりやすいと考えられている突出部も、壁が厚く硬化したものもあれば薄いものも存在する。これらの中で、どの部位がどのような経緯で破裂するのかは、いまだ不明なままである。 そこで本研究では、易破裂性の大型脳動脈瘤動物モデルを用いた病理組織解析と臨床ヒト動脈瘤の血流解析を組み合わせて、動脈瘤内皮の機能・形態の異常と動脈瘤壁の特異的組織変化が壁組織崩壊すなわち動脈瘤破裂とどう関係しているかを解明し、その破裂機転を回避する薬剤治療を開拓することを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、脳動脈瘤の動物モデルによる組織学的解析によって、脳動脈瘤の破裂機構を解明することを目的とするものである。そのためには容易に破裂し得る大型の動脈瘤を有するモデルが必要である。その第一段階として、従来の脳動脈瘤動物モデルの作成手法に改変を加え、易破裂大型脳動脈瘤モデルを確立した。 具体的には、1) 8週齢の雌性SD-ratに対して両側腎動脈分枝結紮および両側卵管結紮と片側内頚動脈結紮および対側の外頚動脈・翼突口蓋動脈の結紮を施行(閉経後女性の血行力学的負荷が増した状態を模倣)、2) 高塩分給餌による高血圧誘導、3) 3-amino propionitrileを1週間毎に定期的に腹腔内投与して飼育することにより、85.2%の確率で主に後交通動脈部の大型脳動脈瘤を誘導することに成功した。動脈瘤の病理組織学的・免疫組織学的解析を行うと、壁薄い部分のほか、むしろ炎症細胞の集族を伴う肥厚した部分を認め、その内壁面の血栓形成や内皮下の壁内出血を認めた。我々の先行研究であるヒト破裂脳動脈瘤の病理組織解析に照らせば、そうした動脈瘤壁の過剰な炎症反応が、壁在血栓や壁内出血と相まって壁組織の崩壊に至り、動脈瘤破裂を呈するという機転が推察された。 この破裂機構予測を証明すべく、また破裂を予防する薬剤治療の開拓に繋げるべく、上記のラット易破裂大型動脈瘤モデルを用いて薬剤投与実験を行った。壁在血栓形成が過剰な炎症反応を助長すると仮定し、それを抑制する目的で抗血小板剤を投与してモデル飼育を行い、頭蓋底主幹動脈を採取して薬剤非投与群と比較する実験を行った。あいにく総計80個体のモデル作成で行った中では動脈瘤の誘導率、壁在血栓形成状況、破裂率には差異を見出すことはできなかった。しかし今後将来、個体数の増加や他の薬剤投与の試行によって、破裂機構の抑制に寄与できる薬剤の発見につながるものと期待される。
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