ヒアルロン酸レセプターCD44の断片化阻害による、軟骨細胞の脱分化抑制効果
Project/Area Number |
19K09620
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56020:Orthopedics-related
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Research Institution | Aichi Medical University (2021-2022) Nagoya University (2019-2020) |
Principal Investigator |
高橋 伸典 愛知医科大学, 医学部, 教授 (20570196)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小嶋 俊久 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (70378032)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 関節軟骨変性抑制 / 関節軟骨変性 / ヒアルロン酸 / CD44断片化 / CD44 |
Outline of Research at the Start |
「CD44の断片化阻害による脱分化抑制の試み」に関する検討を更に進めると共に、これまでのデータを基にして「CD44断片化抑制によるOA治療の可能性」と「広範囲自家培養軟骨移植への応用の可能性」についての検討を中心にすえている。実用レベルの脱分化抑制効果が確認できれば、新たな治療介入点として今後のOA治療に、またより多くの細胞数確保が必要である広範囲培養軟骨細胞移植にと、新たな展望が期待できる。 CD44断片化モデル最大の強みは、これまでin vitroで用いられてきた様々なCD44-HA結合喪失モデルと違い、OAの生体組織内で確認がされているという点である。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、関節軟骨細胞の脱分化におけるCD44断片化の意義と断片化抑制による脱分化制御、変形性関節症発生抑制の可能性を探っている。 昨年度までにHCS(ヒト軟骨細胞様細胞株)および牛関節軟骨細胞におけるCD44の断片化モデルを確立し、HMG-CoA還元酵素阻害剤であるSimvastatinによるCD44断片化抑制による脱分化抑制効果、およびsiRNAによるRNA干渉実験系と阻害剤添加実験系において、ADAM10がCD44断片化に関わる主要なプロテアーゼであることを明らかにした。 過剰な力学的負荷が変形性関節症(OA)における軟骨変性に関連することが知られている。過剰力学的負荷による脱分化導入モデルにおいてCD44断片化が促進されることがウシ関節軟骨細胞で明らかとなり、ST140(STREX社)を用いた周期的伸展負荷によるCD44の断片化と脱分化導入は再現性をもって確立された。各種阻害剤の添加実験を行い、メカニカルストレスによるCD44断片化においてもADAM10がその主要なプロテアーゼであることが確認された。牛関節軟骨細胞にCD44-ICD(細胞内断片)を強制発現させるとSox9をはじめとする関節軟骨細胞特異的遺伝子発現が抑制されたことから、CD44-ICD自体が脱分化導入を促進することが確認された。 OAモデルマウス(DMM:内側半月板不安定化モデル)作製技術を確立して、ADAM10の関節軟骨特異的ノックアウトマウス(Col2-Cre)におけるOA発生の抑制効果を検証している。ADAM10ノックアウトマウスの大腿骨頭をex-vivoでIL-1刺激を行うと関節軟骨の変性が野生型と比較して著明に抑制されていた。また強制走行モデルと老化モデルいずれにおいても、ADAM10ノックアウトマウスにおいて大腿骨頭の関節軟骨変性抑制が確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ADAM10阻害によるCD44断片化抑制と脱分化抑制、さらにCD44-ICDの強制発現による脱分化導入効果が確認された。CD44の断片化および産生された細胞内断片(CD44-ICD)そのものが関節軟骨細胞に脱分化作用を及ぼすことがin vitroで強く示唆された。ADAM10ノックアウトマウスを用いたOAモデルを使用してADAM10のOA発生に対する重要性について検証を進めているが、一般的に用いられるDMMモデルにおいては関節軟骨変性が強く現れすぎる傾向がある。そのため自然なOAモデルとして老化および強制走行モデルについて検討を開始して良好なデータを得ているが、両モデルともに結果を得るまでに長時間を要するため、実験の進捗を急ぐために新たなOAモデルの必要性が浮上している。いずれにしてもin vivoの検証系としてOAモデルマウスを用いた実験を継続して行う必要があるが、実験モデルは確立しておりADAM10の機能抑制(阻害剤の投与またはノックアウトマウス)がOAに対して与える影響についての検証をスムーズに進めることが出来る環境となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度までにin vitroのデータに加えてADAM10ノックアウトマウスにおけるin vivoのデータが集積されつつあり、来年度は引き続きin vivoの検証を中心に進める予定である。CD44の断片化抑制による、OAモデルマウスにおける関節軟骨変性の抑制効果を実証することが目的となる。主として二つのADAM10抑制モデルを用いる予定である。一つはADAM10阻害剤の関節内注射による、CD44の化学的断片化抑制モデル。もう一つはADAM10のノックアウトマウスを用いる系である。ADAM10阻害剤を用いる系、ノックアウトマウスを用いる系、いずれに対してもOAの導入方法としては内側半月板不安定化もしくは強制走行モデルを評価選択して用いる。 我々のADAM10のコンベンショナル・ノックアウトマウスが短命であった場合にはCol2-CreERT2マウスを用いて成長終了後にADAM10欠損を誘導するモデルを使用することも検討されたがこの点については問題を認めなかった。老化モデルにおける関節軟骨変性についても検証を継続する。
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Report
(4 results)
Research Products
(21 results)