Project/Area Number |
19K09782
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56040:Obstetrics and gynecology-related
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
永田 愛 (東島愛) 長崎大学, 病院(医学系), 助教 (00549595)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 清徳 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (00363490)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2019: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | microRNA / C14MC / C19MC / 胎児特異的 / 胎盤特異的 / 胎児機能 / miRNA / 間葉系幹細胞 / miR-518b / 妊娠高血圧腎症 / 胎児発育不全 / 羊水 |
Outline of Research at the Start |
現在の産科医療において、出生前の胎児機能評価には主に胎児心拍陣痛図が用いられているが、胎児機能不全の検出においては偽陽性率が高く、検査の限界が認識されている。子宮内における胎児神経、内分泌代謝や各臓器の発達・成熟度などの胎児機能が出生前に高精度に評価可能になれば、より詳細な胎児モニタリングが可能になる。そこで、本研究では、母体を通じて得られる胎児の分子情報(羊水あるいは母体血中に浮遊する羊膜、胎児、羊水細胞それぞれに由来するmRNA/miRNA)に着目し、妊娠経過に伴う胎児成熟の分子病態解明に迫り、羊水検査ならびに母体の血液検査による総合的な胎児機能評価法の確立を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
これまで我々は、臍帯血、胎児血を用いた胎児特異的microRNAの同定を行い、母体血液細胞に比べ胎児/新生児の血液細胞で高い発現を示すmiRNAとして、15個のmiRNA(miR-370, miR- 452, miR-485-5p, miR-432, miR-136, miR-136*, miR-433, miR-323-3p, miR-494, miR-409-3p, miR-431, miR-654-5p, miR-376a*, miR-370*, miR-377*)を同定した。これらのうち、miR-452を除く14個のmiRNAは14番染色体のmicroRNA cluster(C14MC)に存在している。また、過去に胎盤特異的microRNAを同定し、それらが19番染色体のmicroRNA cluster(C19MC)に存在していることを報告している。 妊娠の時期別に正常妊娠、異常妊娠の検討を行っていたが、妊娠初期の子宮内の検体を得ることが難しいという問題点が存在していた。現在、妊娠のより早い段階でのC14MC、C19MCに注目し、当院で生殖補助医療を行なった症例における胚培養液中のmicroRNAの解析を行っている。 産前産後の休暇および育児休業のため、2021年8月1日〜2022年10月31日研究を中断した。2022年11月1日より研究を再開している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
継続的に研究検体の採取を行なっているが、妊娠初期の子宮内検体が得られにくいという問題点があった。妊娠初期の検討については、生殖補助医療で用いられる胚培養液を用いて胚の機能を解析する手法を導入した。 現在の生殖補助医療では、体外受精時に移植する胚の選択指標として形態学的グレード分類(Veeck分類/Gardner分類)が用いられている。しかし着床率や生児獲得率と関連した受精胚自体の機能を推定する分子マーカーは同定されていない。近年、胚培養液中には受精胚から放出される様々なmicroRNAが検出されることが報告されており、胚移植前に受精胚の機能を推定できる可能性が期待されている。当科ではこれまでに正常もしくは周産期疾患合併妊娠と関連する胎盤特異的microRNAや、母体血漿中における妊娠関連胎児/胎盤特異的microRNAを同定してきた。本研究は、胚移植前に着床率や生児獲得率が高いと推察される良好胚を選択するため、客観的かつ非侵襲的に受精胚の機能を評価できる胚培養液由来分子マーカーの同定を目的としている。対象は、2022年に当院で不妊治療(体外受精)を行なった患者100名とした。胚移植当日の受精胚培養液を用いて、受精胚由来microRNAをRT-qPCRを用いて定量解析した。また、対象を妊娠背景、妊娠転帰、生化学的検査の結果をもとに、①生児獲得した群、②妊娠判定(血中hCG値)陽性後、生児獲得に至らなかった群、③妊娠判定陰性群の3群に後方視的に分けて、miRNAの定量解析結果とあわせて本研究の目的とする分子マーカーの同定を現在行なっている。 本来破棄される検体を用いるため非侵襲的であり、定期的に検体数も集まるため概ね順調に解析が進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
①生児獲得した群、②妊娠判定(血中hCG値)陽性後、生児獲得に至らなかった群、③妊娠判定陰性群の3群に後方視的に分けて、胚培養液中のmiRNAの定量解析を行い、妊娠の転機と検出されるmicroRNAの種類、胚培養液への流出量に相関があるかについて検討を行なっていく予定である。
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