Project/Area Number |
19K10520
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 58010:Medical management and medical sociology-related
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Research Institution | Nippon Sport Science University |
Principal Investigator |
金田 英子 日本体育大学, スポーツ文化学部, 教授 (10253626)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 容子 公益財団法人結核予防会 結核研究所, 対策支援部 保健看護学科, 副部長 (30752620)
バイラ ビレンドラ 東洋大学, アジア文化研究所, 客員研究員 (40759221)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 結核 / 服薬支援 / 在日外国人 / ネパール人 / 医療通訳 / ネパール / 在日ネパール人 / マニュアル |
Outline of Research at the Start |
本研究では、在日外国人の中でも罹患者の多いネパール人結核患者を調査対象とし、医療通訳者のインタビュー調査によって抽出される諸問題(例えば、ネパール人社会における結核感染に対する文化・風習の違いから生じる問題、医療専門用語に対する理解度の違いが引き起こす問題など)を、文化的/言語的な枠組みの中で構造化し検証する。そして、その結果をもとに、ネパール人患者が滞りなく日本での結核治療が遂行できるよう、医療従事者向けの療養支援マニュアルの作成を行うことを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナウイルス感染症の影響で、一時期、途上国からの在日外国人の数が激減した。それに伴い外国人結核感染患者数も減少傾向にあった。しかしながら、コロナ禍においても一定の外国人感染者数は報告されている。言葉の壁に加え、コロナ感染疑いで結核の診断・治療につながるまでに、医療機関を転々とし、かなりの時間を要したケースもあった。在日外国人医療への課題が、ここでも浮き彫りにされ、その対策の重要性が露呈される形となった。そのような状況下で、予定どおりとはいかないまでも、私たちの研究活動も少しずつ進められていき、1年の延長を経て最終年度を迎えることとなった。 本研究課題は、在日外国人の中でも罹患者の多いネパール人結核感染患者を調査対象者として、医療通訳者によるインタビュー調査から抽出される医療格差の諸問題をまずは明らかにすることにある。そしてそこから導かれた内容をもとに、ネパール人結核患者が途中で服薬を中断することなく、日本での治療が終了できるよう医療従事者向けの療養支援マニュアルの作成を行うことを目的として行われている。そうして4年目を終え、最終年度を迎えた。とりわけ病院でのインタビューは、新型コロナウイルス感染症による影響で困難を極めた。そうしてネパール人結核感染患者の病院でのインタビュー、および退院後の遠隔によるインタビューの翻訳作業も終了し、そこから明らかにされた内容を参考に、医療従事者向けの療養支援マニュアルについて検討が重ねられた。今現在は、大枠ができあがり最終調整段階に入っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス感染症の影響で、研究期間を1年延期し最終年度となった。毎月のメンバー全員によるミーティングを実施し、研究状況を確認しながら以下の研究活動を行った。(1)在日ネパール人で結核に罹患した人への再インタビュー:2年目に結核入院中のネパール人を対象に、入院に至った経緯、本人のバックグランド、結核療養に対する知識などについて構造的インタビューを5名に対し実施した。3年目は、さらにその中から2名に対し、退院後の生活、振り返っての入院生活などについてインタビューを、ZOOMにて実施し、その翻訳インタビューおこしを行った。(2)DOTSに関するリーフレットの作成:文書の翻訳は2年目にほぼ完了していたが、挿絵を描いてくれる協力者が見つからなかった。そこでネパールのカトマンドゥー大学高校の高校生を対象に、結核啓発ポスターのコンテストを実施し、挿絵を描いてくれる協力者を募った。間接的に、高校生の結核に対する知識の提供の場にもなった。(3)服薬のタイムテーブル:リーフレットに服薬のタイムテーブルを追加することになり、外国人向けの内容になるよう検討し翻訳を行った。そのドラフトを、ネパールのJapan-Nepal Health and Tuberculosis Research Association (JANTRA)を訪問した際、事務所長やスタッフに見ていただき意見交換を行った。(4)結核対策制度体系:リーフレットに加える、「結核対策制度体系」の内容を吟味し、翻訳をほぼ完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は最終年度になるので、成果物を視野に、まとめの段階に入っている。具体的には、インタビューを整理・解析し、その内容を6月の「第98回日本結核・非結核性抗酸菌症学会総会・学術講演会学会」にて2演題発表する予定である。その後、この内容に関して論文執筆につなげていきたい。もう一つの成果物として、医療従事者向けの療養支援マニュアル(リーフレット)の作成を目指している。内容としては、DOTSの重要性をイラストを用いて説明する。続くページでは、服薬支援となる服薬タイムテーブル、外国人には理解の難しい、日本の結核対策制度の体系を簡単に説明したものの掲載をする。さらに保健所の職員の参考になるよう「リスクアセスメント」表の作成も追加することを計画している。これらに関しても6~7月頃を目途に、原案を完成させ、1~2カ月くらい試用期間を設け最終検討し、12月頃には最終版を印刷に入れるという計画で進めている。
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Report
(4 results)
Research Products
(6 results)