Project/Area Number |
19K10544
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 58010:Medical management and medical sociology-related
|
Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
櫻井 結華 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (50307427)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
茂木 雅臣 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (40646189)
宇田川 友克 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (60328292)
高橋 恵里沙 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (20875546)
今川 記恵 東京慈恵会医科大学, 医学部, 診療技術員 (90886110)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2021: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2020: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2019: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
|
Keywords | ヒアリングサポート / 超高齢化社会 / 補聴 / 音声認識ソフトウエア / 加工音声 / 聴覚支援 |
Outline of Research at the Start |
1)音声認識ソフトを用い、加齢性難聴患者と医療スタッフとのコミュニケーションの課題を明らかにする。 2)音声編集で難聴疑似状態を作成し、難聴者が聞き取りにくいと感じる状態が、擬似難聴環境を与えた健聴(患)者にも発生するか調べる 3)これらの結果から、難聴・高齢者医療のサポートシステムとして、どのようなサポートが聞き取り支援システムとして有効か検討する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
超高齢化社会が現実化し、加齢性難聴を患う患者の割合が急速に上昇するのは必至である。医療現場において加齢性難聴は、医療スタッフと患者のコミュニケーションエラーのリスクを増加させる。また、加齢性難聴患者には通常よりも時間をかけて説明を行う必要があるため、診療に時間がかかり1日に診療できる患者数が制限されるため、医療経済上の効率も悪くなる。本研究の目的は、加齢性難聴が引き起こす患者と医療従事者とのコミュニケーションエラーを具体的に抽出して解析し、無料ソフトウェア(音声-文字自動変換)等を活用した加齢性難聴患者への低コストで汎用性のあるヒアリングサポートを行える病院内システムの構築を行うことである。前年までの研究で音声認識ソフトウェアを使用すると、その正答率や認識のされ方を抽出でき、医療現場での英語能力向上に必要な事項を客観的に分析できることが明らかとなった。そのことを踏まえ、さらに、このようなソフトウエアを加齢性難聴患者への診療支援システムとして利用できる方策について検討した。医療現場でのコミュニケーションの問題点を耳鼻咽喉科医、言語聴覚士、聴覚基礎分野研究者という音声・聴覚の専門家がそれぞれの観点を持ち寄り協力して検討した。具体的には、難聴が無い人を対象に疑似難聴状態での聞き取り実験を行い、聞き取りにくくなる様々な要因についての検討を行い、聞き取りにくさを増長する要因を検証することができた
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
音声認識ソフトウエアを使用した聞き取りに関する実験結果の概要は、中等度~高度難聴の症例に対し、音声のみでの説明とタブレットで音声認識ソフトが認識した説明の言葉を表示するという2通りの診療説明を試み、その満足度と理解度を数値化して検討した結果、11項目中7項目(63.6%)で音声認識ソフトを用いた診療の方が会話や説明への負担感が減り、内容を理解しやすくなったという結果が得られた。また、音声認識ソフトを使用した場合に、診療内容が悪化したという回答は0であり、何等かのメリットを全員が認識した結果となった。医師や医療スタッフとの会話が楽になったという回答が多かった半面、難解な言葉の理解や会話することへの消極的感情については、やや改善したという結果にとどまっており、さらなる工夫が必要と思われた。また、このように難聴を支援する試みを良いと思うという回答は100%であった。どういう状況が聞き取りにくさを生じさせるのか、という点についても実験を行った。疑似難聴状態の加工音声を作成し、健聴者10名に対して、聞き取りの正答率を検討した。加工音声については難聴症例での訴えが多い項目を選び、耳鳴音、周囲の話し声、音量過小、反響、早口音声、の5種類の負荷がかかった加工音声を作成した。実験の結果、最も正答率が低下する負荷は周囲の話し声であるという結果を得られた。現在、研究結果をふまえてデータを解析し、統計学的処理を行い、成果報告書作成に向けて作業を行っている。不足データがあると思われた場合については随時データ収集の予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在までに、音声認識ソフトウエアを使用した聞き取りに関する実験結果の概要は、中等度~高度難聴の症例に対し、音声のみでの説明とタブレットで音声認識ソフトが認識した説明の言葉を表示するという2通りの診療説明を試み、その満足度と理解度を数値化して検討した結果、11項目中7項目(63.6%)で音声認識ソフトを用いた診療の方が会話や説明への負担感が減り、内容を理解しやすくなったという結果が得られた。また、音声認識ソフトを使用した場合に、診療内容が悪化したという回答は0であり、何等かのメリットを全員が認識した結果となった。医師や医療スタッフとの会話が楽になったという回答が多かった半面、難解な言葉の理解や会話することへの消極的感情については、やや改善したという結果にとどまっており、さらなる工夫が必要と思われた。また、このように難聴を支援する試みを良いと思うという回答は100%であった。どういう状況が聞き取りにくさを生じさせるのか、という点についての実験も行った。疑似難聴状態の加工音声を作成し、健聴者10名に対して、聞き取りの正答率を検討した。加工音声については難聴症例での訴えが多い項目を選び、耳鳴音、周囲の話し声、音量過小、反響、早口音声、の5種類の負荷がかかった加工音声を作成した。実験の結果、最も正答率が低下する負荷は周囲の話し声であるという結果を得られた。研究結果をふまえてデータを解析し、統計学的処理を行い、成果報告書作成に向けて作業を行った。今後は、これまでに解析したデータから判断して必要な追加実験を行い、最終的なデータをまとめて成果報告を行う予定である。
|