Project/Area Number |
19K10584
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 58020:Hygiene and public health-related: including laboratory approach
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Research Institution | Yokkaichi Nursing and Medical Care University (2021-2023) Aichi Medical University (2019-2020) |
Principal Investigator |
柴田 英治 四日市看護医療大学, 看護医療学部, 教授 (90206128)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 潔 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (50834917)
鈴木 隆佳 修文大学, 医療科学部, 講師 (80757740)
榊原 洋子 愛知教育大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (90242891)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 石綿小体 / 含鉄小体 / 繊維状物質 / 石綿繊維 / 剖検肺 / 石綿 / 非石綿繊維 / 位相差顕微鏡 / 電子顕微鏡 / 非被覆繊維 / 走査型電子顕微鏡 / 肺内石綿繊維濃度 / 肺内石綿小体濃度 / 肺内非被覆繊維濃度 / 肺内石綿繊維 / 中皮腫 |
Outline of Research at the Start |
肺組織内には呼吸によって吸入された様々な量、形態の粉塵が存在する。職業的石綿繊維曝露歴がある場合は、光学顕微鏡による観察で石綿曝露の指標とされている石綿小体(石綿繊維が鉄蛋白に被覆されたもの)とともに、多数の被覆されていない繊維(非被覆繊維)が存在する。産業における石綿の使用が禁止された一方、近年のナノファイバーの工業利用に伴い、新たな繊維状物質の曝露が拡がっている。本研究では我々がこの約30年間に収集した剖検肺、手術肺内の石綿小体濃度測定とその形態的特徴の観察、非被覆繊維濃度の測定、分析電子顕微鏡による石綿・非石綿繊維の測定により、近年のわが国における繊維状粉塵曝露の推移を検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は剖検肺中の石綿繊維をはじめとした繊維状物質の分析を行うことによって、生前の生活、労働環境との関連で人体がばく露を受ける生活環境、作業環境中の繊維状物質の意義を考察することを目的としている。剖検肺の提供は名古屋市内の協立総合病院に依頼したが、2020年からの新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、病院は感染患者の対応に追われ、剖検数が減少、また協力する医師も多忙になり、剖検肺の提供が困難になり、研究が止まっていた。2023年度は繊維状物質が鉄蛋白で被覆された含鉄小体(繊維状物質が石綿の場合は石綿小体)と呼ばれるものについて芯となる繊維状物質の同定の可能性について検討した。その結果、含鉄小体の被覆部分を分析するのでは同定は困難であり、被覆されていない部分については元素組成からある程度の確率で正しい同定が可能であることが明らかになった。しかし、分析結果の確実性は十分とは言えないため、この方法では限界があると考えた。 我々は以前繊維状物質の分析には透過型電子顕微鏡を使用していたが、機器の更新と研究拠点を移動させたことに伴い、これを走査型電子顕微鏡に変更した。このためこれまでの透過型電顕の計測結果との比較を可能にする基礎的な検討も行った。両者の比較は単純に決まった係数を乗じることによって推定が可能とは言えず、やはり分析の方法を明らかにしたうえで、検討することにならざるを得ないこともわかった。 研究の中断によって病院の体制も変わっており、本研究を続けるためには新たに倫理申請を行う必要があると考えた。現在の研究協力体制を踏まえて申請の準備を行った。 また、日本産業衛生学会、及び同地方会でこれまでの本研究関連の研究について発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究は2019年度からの計画であるが、2020年からの新型コロナウイルス感染症の蔓延により、剖検肺を提供する病院の業務が多忙となり、剖検が行われなくなった結果、本研究における主要な研究試料の供給ができなくなり、実質的に止まった。また、本研究課題を遂行する研究代表者・分担者も感染対策とともに大学在籍者はオンライン授業などで対応に追われた。研究代表者は2021年度に愛知医科大学教授から四日市看護医療大学学長として異動した結果、大学の管理者としての仕事を行うようになり、研究に割くことができる時間が極端に減ったことも研究が停滞する要因であった。本研究は人を対象とする医学系研究に該当するため、学内の倫理審査委員会に審査申請を行う必要があるが、前任の愛知医科大学では申請書類を準備したが、異動にともなう残務処理と学長就任のための引継ぎ等のため提出することなく、四日市看護医療大学で提出することとした。しかし、新任早々のコロナ禍対応に追われ、一度は提出し倫理審査委員会からの意見を受取ったものの、意見に対応した修正が進まなかった。一方、上述のように協力病院がコロナ対応に追われ、研究協力体制が大きく変わることになった。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までの進捗状況で述べたように、研究が停止した間に本研究をめぐる状況がかなり変化したため、改めて研究倫理審査を行う必要が出ている。特に協力を求める病院に対しては2019年と同様の業務体制ではなくなっており、改めて研究について現在のスタッフに対して計画について説明のうえ、協力を得ることについて了承を得なければならない。この病院は本研究計画を受け、病院内の倫理審査委員会での承認を受けているが、研究の中断という予想外の事態を受け、研究協力体制の見直しが必要であれば再度の申請の準備を行う。また、研究代表者の所属先である四日市看護医療大学の倫理審査委員会に改めて倫理審査申請を行う。なお、すでに述べたように同大学の倫理審査委員会には一度申請を行い、修正意見を受取っており、この意見に沿って修正する一方、研究協力者については改めて研究計画と倫理的配慮について確認する。 本研究は剖検肺内の石綿繊維、非石綿無機繊維及び石綿小体の分析を行うが、分析は名古屋市立大学の走査型電子顕微鏡を使用する。研究中断中も本研究開始以前に使用していた透過型電子顕微鏡との計測結果の違いの解釈方法についての検討をもとに評価する。
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