Project/Area Number |
19K10723
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 58050:Fundamental of nursing-related
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
酒井 太一 順天堂大学, 保健看護学部, 先任准教授 (50363734)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩清水 伴美 順天堂大学, 保健看護学部, 教授 (60516748)
長沼 淳 順天堂大学, 保健看護学部, 先任准教授 (90424233)
江口 晶子 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 准教授 (00339061)
池野 佑樹 順天堂大学, 保健看護学部, 助教 (50847275)
川田 梨絵 順天堂大学, 保健看護学部, 助手 (60911865)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2020: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 学習集団 / 主体的学習 / 主体的学修 / 能動的学修 / アクティブ・ラーニング / 看護基礎教育 |
Outline of Research at the Start |
看護系大学における主体的学習集団を形成する諸要因を明らかにし、「主体的学習集団形成メソッド」を開発することを目的とした。これにより、看護学生の主体的学習を実現し、地域包括ケアシステム構築に代表されるこれまで我が国が経験したことのない将来の保健医療福祉分野において活躍する人材育成に貢献することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
現在我が国は、少子高齢化などの急激な変化に直面し、個人・社会にとって将来の予測が困難な時代が到来している。この時、大学教育は学生が主体的に問題を発見し解を見出す「アクティブ・ラーニング」が必要とされ、これは看護系大学においても同様である。しかしながら、多く用いられるグループ学習の成否は、メンバー間の人間関係などの不安定な要素による影響が大きい問題がある。これに対して申請者は、ソーシャルキャピタル理論を応用し、看護学生が学習集団に抱く「信頼」や「愛着」などの肯定的認識を高めることで主体的な学習集団を醸成することに着想した。そこで本研究では、看護系大学における主体的学習集団を形成する諸要因を明らかにし、「主体的学習集団形成メソッド」を開発することを目的とした。これにより、看護学生の主体的学習を実現し、地域包括ケアシステム構築に代表されるこれまで我が国が経験したことのない将来の保健医療福祉分野において活躍する人材育成に貢献することを目指す。 本年度は、臨地実習において主体的学習集団の形成を促し、これを維持・発展させる諸要因をインタビューした結果と得られた知見を学会で発表し表彰を受けた。次年度は、最終年度を延長して本研究の論文化を目指すと共に、本研究の知見をさらに発展・継承する次テーマである「主体的学習風土の醸成」への円滑な連結に取り組んでいく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
臨地実習において主体的学習集団の形成を促し、これを維持・発展させる諸要因を明らかにすることを目的とした看護大学生を対象としたインタビュー調査結果を第43回日本健吾科学学会学術集会において発表した。これにより、①臨地実習における主体的学習集団では、学生同士の将来的目標の相互把握や集団全体の学習促進への責任意識がみられること。②主体的学習態度をとることへの保障や、そのメリットの体験的な理解がなされていることを明らかにした。さらに、日本協同教育学会が示す協同学習の成立要件との近似していた。また、楽しさといった肯定的な感覚としても認識されており、これは酒井ら(2022)の主体的な学習の定義とも一致した。以上のことから、臨地実習における主体的学習集団の形成のためには、協同学習手法の活用や本研究の知見を活かした個人・集団・環境面への関わりが考えられた。今後は教育実践での検証を続けると共に、論文として成果物にすることも進めていく。なお、この発表は日本看護科学学会第43回学術集会において「学術集会優秀演題ポスター発表賞」を受賞した。 研究成果の発表に並行して、継続的に近接する学問領域との積極的な交流を行うことによる研究の発展にも努めた。近年のコロナ禍の影響により看護学系関連学会の他、教育学系学会に参加して、最新の情報の収集をすることに限界があったものの、少しずつこれを以前のレベルに近づけられるように心がけた。具体的には、日本協同教育学会の「看護教育における協同教育研究会」に参加した。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画よりも遅れているため、引き続き迅速な研究遂行を目指したいと考えている。具体的には以下の2つを行う。まず、インタビュー調査の計量的テキスト分析の結果を論文化する予定である。次に、学術的な成果物に留まらず、教育現場への実装を目指すべく、前述の取り組みで明らかになった「主体的学習集団」形成因子について臨地実習をはじめ、異なる授業形態(講義・演習)への応用を検討し、実践的に検証することでメソッドを確立する。 インタビュー調査の計量テキスト分析からは、8つのクラスターが抽出され、それぞれ【積極的態度への同調意識】【将来的目標の相互把握】【教員による心理的安全性の確保】【自発的な情報提供姿勢】【集団による問題解決体験】【自己表出の肯定的認識】【集団力動への調整的振る舞い】【帰属による楽しさ】と命名した。その中の一つである【教員による心理的安全性の確保】については、これまで一人ひとりの学生やその関係性に注目しがちであったが、学習集団に関わる教員の在り方が重要であること明らかになった。したがって、次の新たなテーマとして主体的学習集団を形成する教員組織の構築(主体的学習風土の醸成)を掲げ、本研究をさらに発展・継承していく。
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