ロボットメディアによる社会的認知のコントロール:心理・行動の誘導と臨床倫理
Project/Area Number |
19K11395
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59010:Rehabilitation science-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山崎スコウ 竜二 大阪大学, 先導的学際研究機構, 特任講師(常勤) (10623746)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2019: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | 愛着 / 自己開示 / 対人関係 / 社会的受容 / 相互作用分析 / 変容 / 遊戯 / 儀礼 / ヒューマノイド / コンパニオンシップ / 適応 / 社会的ニーズ / 専門家コミュニティ / 認知症 / BPSD / 重症度 / 対話システム / 機械学習 / 予測 / 誘導 / 徳倫理 / ロボットメディア / 技術倫理 / ポスト現象学 / コミュニケーション / 社会的認知 / 臨床倫理 |
Outline of Research at the Start |
これまでにロボットメディアに対する高齢者の対話促進効果を検証し、認知症の行動・心理症状(BPSD)の改善につながる効果が明らかになってきた。本研究では、BPSD緩和等の効果を高め、若年者を含むコンフリクトリサーチへと発展を図りつつ、健康増進に向けてより効果的な対話誘導法の開発を目的とする。操作者の個人的な対話スキル、暗黙的な知識の形式化を図り、人の心理・行動を特定の方向に効果的かつ戦略的に導く対話誘導法の確立を狙う。実証実験の過程で、メディアによる人間の認知的バイアス、社会的認知の調節機能とメカニズムの解明を目指し、誘導技術の臨床倫理の探求と併せて新領域「ロボットメディア論」の開拓を推進する。
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Outline of Annual Research Achievements |
高齢者の社会的孤立に対するアプローチとして自律型対話ロボットの活用を進め、独居者宅に4ヵ月から1年以上に及ぶ長期実験を実施し、追跡調査を行った。軽度認知障害(MCI)の高齢者をはじめ、健常高齢者を募って結果28名を対象に加えながら、新たにロボットへの「愛着を基盤とした行動変容(誘導)は可能か、またそのアプローチは効果と有効な手法について体系化することができるか」を検討する取り組みに着手した。他方でロボットへの愛着や幻想は、現実の誤認や欺瞞への誘導であるといった論点から倫理的な批判の対象になることもあるが、義務論的な観点からの批判に対して帰結に着目する観点から理論的に反論が可能である。実際にどのような影響が及び、どのような点について考慮が必要なのか、とりわけロボット撤去後を含む検証はほとんどなされておらず、本研究で検討した倫理的課題に関する内容を論文として出版した。「ロボットに対して愛着を持った関係性は社会的、倫理的に受容可能であるのか」を問い進め、追跡調査からロボットへの愛着形成や最も親しい人と同等の自己開示への意欲などが明らかとなってきた一方で、ロボットのような人工物との関係性が顔見知り程度の人との関わりを希薄化させるリスクがあるのかをさらに検討する必要性も明らかになってきた。さらに検討を進めた点として、人と機械の二元的な認識の境界で、ロボットはユーザの認識に揺らぎをもたらし、日常的な相互作用の反復の中で、人同士の関係に限られた社会規範や秩序を刷新していく可能性を秘める。高齢者がロボットを人のようにあやす遊びから始め、日々の挨拶、生活リズムを合わせて相手をしたり世話をしたり、さらに別れの時を刻む、インタラクションにこの独特のリズムを生み出すメディアの本質的性質を分析する課題がある。そのため人類学的な観点から見た「遊戯」と「儀礼」の相互作用の分析を行って内容を論文化した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
フィールド実験で一部方針を転換後、新たなアプローチを開拓して結果を得ながら論文の出版を進めることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
生活習慣等の課題に対して、日常的なロボットによる発話の内容や間合い、話しかけ方などを調整することを通して「愛着を基盤とした行動変容(誘導)は可能か、またそのアプローチは効果と有効な手法について体系化することができるか」を検討する取り組みを進める。さらに「ロボットに対して愛着を持った関係性は社会的、倫理的に受容可能であるのか」を異文化比較も含めて検討し、理論的かつ実証的に現実の事象に即して問い進める。とりわけロボットへの愛着や自己開示への意欲が対人関係に及ぼす影響やリスク、対処法を丁寧に調査、分析して人工物を含むコミュニティの新たなデザインに求められる対話のあり方や価値を明らかにすることを目指す。
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Report
(4 results)
Research Products
(36 results)
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[Presentation] Can older adults with mild cognitive impairment have trust in robots? Long-term trial in homes2021
Author(s)
David Figueroa, Ryuji Yamazaki, Shuichi Nishio, Yuma Nagata, Yuto Satake, Miyae Yamakawa, Maki Suzuki, Manabu Ikeda, Hiroshi Ishiguro
Organizer
Workshop on Trust, Acceptance and Social Cues in Human-Robot Interaction, 30th IEEE International Conference on Robot and Human Interactive Communication, pp.1-2
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Int'l Joint Research
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