Project/Area Number |
19K11526
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59020:Sports sciences-related
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
柿木 亮 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 非常勤助教 (70614931)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | ビタミンD / 骨格筋 / 筋張力 / 筋量 / トレーニング / 筋力低下 / サルコペニア / 筋萎縮 / 運動処方 |
Outline of Research at the Start |
加齢による筋量・筋力の低下(サルコペニア)は、しばしば高齢者の自立した生活の妨げになる。本研究では、ビタミンD不足がサルコペニア進行を増悪させる因子であるのか否かを、動物のビタミンD不足モデルを用いて詳細に明らかにする。特に、動物から摘出した骨格筋を分析することで、筋力・筋量の低下メカニズムを、筋小胞体やミトコンドリアなどの細胞小器官レベルで明らかにすることができる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ビタミンDが骨格筋の筋量や筋力に及ぼす影響を明らかにすることを目的としている。加齢に伴い骨格筋の筋量や筋力は低下する(サルコペニア)が、今年度はビタミンDの不足がサルコペニア進行の増悪因子として関与するのか否かについて検討を行った。若齢マウス(8週齢)および高齢マウス(96週齢)を用いて、6週間のコントロール食あるいはビタミンD欠乏食を摂取した後に、骨格筋の摘出を行った。血清ビタミンD濃度は、ビタミンD欠乏食摂取により減少した。下肢骨格筋の筋量は加齢により減少したが、ビタミンDの不足による有意な減少は認められなかった。また、足底筋の最大張力は加齢により減少した。一方で、ビタミンD欠乏食の摂取は若齢マウスにおいてのみ足底筋の最大張力を減少させた。このことから、ビタミンDの不足は、サルコペニアの増悪因子として関与せず、高齢期よりも成長期の骨格筋の収縮機構に影響を及ぼす可能性が示された。 さらに本年度は、ビタミンD欠乏食による張力低下を、運動・トレーニングによって抑制・改善できるのかも検討した。若齢マウス(8週齢)に対して、6週間のコントロール食あるいはビタミンD欠乏食摂取期間中に、動物用トレッドミル上で高強度インターバルランニングを実施した後に、骨格筋の摘出を行った。下肢骨格筋の筋量は運動・トレーニングによって増加する傾向にあったが、統計的に有意ではなかった。一方、ビタミンD欠乏食摂取により足底筋の最大張力は低下していたが、運動・トレーニングを行うことによってその低下が抑制された。このことから、運動・トレーニングはビタミンD不足による張力低下に対抗することができる可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
学務の関係で、運動・トレーニングを実施する実験が年度末の期間での実施に限定されてしまい、骨格筋の生化学的な分析が遅れているため。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に実施した研究において得られた骨格筋の生化学的分析を進める。特に、骨格筋の収縮を調節するタンパク質の発現量をウェスタンブロット法を用いて分析することで、ビタミンD不足による張力低下やその抑制にどのような機序が働いているかを明らかにする。また、ビタミンDが骨格筋の筋量にも影響を与える可能性があるのかを、ビタミンD受容体や筋量を調節する細胞内シグナル伝達に着目して分析を行う予定である。
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