Project/Area Number |
19K11580
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59030:Physical education, and physical and health education-related
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
橋口 知 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 教授 (90315440)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2020: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2019: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
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Keywords | 学校精神保健 / 養護教諭 / 発達障害 / 特別支援教育 / 地域医療 |
Outline of Research at the Start |
発達障害の特性は、思春期青年期に精神症状として表面化することがあるため、高等学校の学校精神保健においては、地域精神科医療機関との連携・協働は重要である。本研究では、地域の高等学校と精神科医療機関の両者を対象にアンケート調査を行い、連携・協働体制構築の要因、特に阻害要因を抽出して対策を検討し、実用可能な書類様式などの資料を作成・配付し、学校精神保健と地域医療との協働体制構築を図ることを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
発達障害の特性は、思春期青年期に精神症状として表面化することがあるため、高等学校の学校精神保健においては、地域精神科医療機関との連携・協働が重要であるが、地域での連携・協働は円滑に行われているとはいえない状況にある。そこで、地域の高等学校と精神科医療機関の両者を対象に、連携・協働体制の構築要因の調査を行い、特に阻害要因を抽出して対策を検討した上で、地域において実用可能な書類様式などの資料を作成して試行的に使用し、学校精神保健と地域治療との協働体制構築の基礎を作ることを目的に本研究を実施してきている。 高等学校の調査対象は学校精神保健の重要な役割を担っている養護教諭とし、医療との連携・協働体制の構築に関する課題を抽出することにした。高等学校の養護教諭に個別に聞き取り調査を継続実施してきている。各学校種における発達障害の特性の表出の特徴を比較するとともに、医療との連携・協働体制の構築の阻害要因について検討している。相談機関においては、入手可能な学校間連携用資料や産業保健用資料などの既存資材を活用しながら、医療機関職員へ直接の聞き取り調査を継続実施している。さらに、地方行政の相談機関が実施した同地域の医療機関を対象とした発達障害児者診療状況調査の結果データや実際の取組状況に関する報告等の検討も加えて、医療機関と学校との連携・協働の阻害要因について引き続き検討を進めているところである。書類様式等の資料の試行については、実例ではなく、過去の報告事例や模擬ケースを対象として取り組んでいるところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究は、過去に実施した学校精神保健における地域医療との連携・協働における課題を中心に質問紙調査を行う計画を立て、高等学校の特徴に応じてグループ分けを行い、複数名の養護教諭に聞き取り調査を行った段階で、当初の想定以上に、生徒や所在地域医療に相違点が多く存在することが明確となった。そのため、学校教職員への調査方法を、紙媒体での実施ではなく、より有益な情報が得られると判断した養護教諭への直接の聞き取り調査の実施数を増やすことによって基礎データの増加をはかることにした。しかし、数年にわたる学校への立ち入り制限等の影響は大きく、統計的処理に適したデータ数とするために調査継続が必要と判断した。同様に医療機関も、5類へ移行後も新型コロナウイルス感染症対策及び業務過多の状況への配慮が必須なため、医療機関が容易に入手可能な既存の資材をもとに、他機関との連携・協働に関する項目を抽出して、医療機関職員へ直接、聞き取り調査を行うことによってデータを得るよう計画を変更して取り組んできた。これまでのデータ処理やその解釈を行なったり提案する書類様式等の更なる検討を行うために研究期間をさらに1年延長することによって本研究を遂行することにした。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、地域における学校と医療の連携・協働体制の構築要因を明確化することを目的としており、各学校の持つ特色によって在籍生徒の発達障害の表出状況に大きな差異が存在することが既に判明したため、学校教職員へ直接的な聞き取り調査を行っている。学校と家庭や療育機関・医療機関との情報交換用既存資材をもとに、各学校の特徴も考慮してその地域医療機関の職員へ連携・協働における課題についての聞き取り調査も継続し、統計処理可能なデータ量に増やす計画である。これらをもとに、実用可能と予測される連携・協働における情報交換のための書式や体制を検討し、高等学校養護教諭へ具体的な情報交換の書類様式や連携方法を提案・試行的実践を通して、特に学校側が感じている医療機関との連携における課題の解決策について検討する。 研究対象が学校と医療機関という新型コロナウイルス感染症対策の影響が大きい施設であったことから、両機関の感染対策で多忙な状況を配慮し、当初計画していた質問紙調査から変更して試みた負担を軽減した形での各関係者への直接の聴き取り調査やその課題についての最終検討を、オンラインも活用して継続実施する。実例から報告事例や模擬ケースへ切り替えた形で書類様式等の資料活用についても最終検討を行う。経験事例データや啓発資材活用の試行的実施及びその検証に加えて、先行研究や中央及び地域行政機関の調査結果等を入手した上で分析・評価を行い、本研究を遂行する計画である。
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