Developmental research on the relationship between body movement and space transformation from infancy to childhood.
Project/Area Number |
19K11603
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59030:Physical education, and physical and health education-related
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Research Institution | Edogawa University |
Principal Investigator |
野田 満 江戸川大学, 社会学部, 特任教授 (00636300)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | メンタルローテーション / 非線形 / 動作 / カオス / アトラクター / 自己制御 / 不器用さ / エフォートフルコントロール / 軌跡 / 状態空間 / 最大リアプノフ指数 / COP / 手操作 / イメージ / 周期性 / 揺れ / 幼児 / 重心動揺 / 周波数 / 姿勢 / 身体の動き / 非線形性 / 空間変換 |
Outline of Research at the Start |
それまで身体的な行為はイメージの内化とともに減少していくことがわかってきたが、どのようにして内化が進むのか解明されていない。そこで、対象の空間変換をイメージする際に現れる身体的な動きを捉えて、身体がどのようにイメージ上の変換を担っているのか、発達的変化を明らかにすることを目的とする。本研究は、身体の動きが収束し安定することが表象系へ影響するという考えに基づいている。空間変換の内化プロセスを、イメージ操作の指標を用いて、身体の動きから定量的に捉えようとする試みである。これにより空間変換における認知発達と身体利用との関係性を明示し、身体的動きの認知発達への過程を解明しようとする研究である。
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Outline of Annual Research Achievements |
(1)非線形と行動発達に関する研究: 昨年度から引き続き、幼児期におけるメンタルローテーション最中の頭部の動きを捉え、イメージ変換との関係性を探求した。動作解析から得られた時系列データに基づき、非線形解析を行うことでイメージの操作のあり方とカオス性のレベルとの対応関係を確認した。ただし、分析作業の複雑性から実施した参加児は数例にとどまっている。 負荷のかかる状況でリアプノフ指数が高くなることは、ある意味で注意の集中や認知的な努力が払われていたのではないかと予想された。また試行ごとにアトラクタが構成されることから、各試行での周期性からカオス性への移行のあり方を捉えることが出来た。成果は一部、発達心理学会大会(2023)で発表した。一方で、成人及び児童における微細運動や粗大運動が行われる際の運動解析を通じて、カオス性の確認を行った。メンタルローテーション課題での身体の動きではなく、ビーズ通し課題やウクレレ演奏での微細な動きが求められる際にも、カオス性が認められ、特に身体の動きが加速される際に生じることを突き止めた。これは大学紀要論文(2023)として発表した。 (2)自己制御との関連性:課題を行う際にも未熟さや不器用さのために安定した軌道から動きが逸脱したり不安定となることが予想される。これにより、幼児期の身体の動きの背景には、発達のみならず、自己制御が関与しているのではないかと想定された。器用さ-不器用さとエフォートフル・コントロール(EC)や実行機能(EF)とが関連することは検証されたが(野田,2022)、ECとEFは同じ構成概念ではないかという主張もある(Schmidt,2021;Zhou,2012)。こうした主張が異なるのは対象年齢や実施国による何かが違いをもたらしていたのではないかと考えた。そこで、4か国の不器用さ、EC,EFに関する国際比較調査を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
(1)非線形と行動発達に関する研究: 成果の一つはメンタルローテーションを示した参加児において、メンタルローテーション課題での同試行で勾配とともに最大リアプノフ指数(λ1)が有意に増大することがわかった。つまりイメージ変換が困難になるに従い、心的に不安定になり、頭部の動揺つまり運動軌道の不安定な変化が起きやすくなったことが推測された。ただし、大きな角度における試行内の反応時間が長くなり、それに伴う運動解析サンプリング時間が長くなったことで、不安定要素を取り入れるチャンスが増えたのかもしれない。いずれにしても勾配に従い初期敏感性が高くなることが示された。また頭部の動きが持つ周期を検討したところ、勾配に従い、周期的リズムから準周期そしてカオス性へと変化することが確認できた。一部は発達心理学会(2023)で発表した。更に、イメージ課題だけでなく、ビーズ通しやウクレレ演奏での手の動きにおいても、周期性の検討からカオスへの変化を調べたころ、上記と似た結果を得た。手の細やかな動きが求められる運動部分では、課題遂行をする上で、指先の動きの加速等が調整されたことから、状態空間に構成したアトラクタにおいて特殊な「よどみ」が見いだされた。その性質についてまだ充分にはわかっていない。 (2)自己制御との関連性:日本、米国、フィリピン、ドイツの4か国の自己制御並びに不器用さの関連性を調べた。既に、ECとEFとが異なる構成要因であり、不器用さがECとやや強い関連性が見いだされてきたので(野田,2022)、共分散構造分析の確認的因子分析モデルを適用し、4か国のモデル間の差異を検討した。モデルの適合性及び日本との配置不変性の確認を行ったところ。ドイツを除き概ね良好な値を得た。興味深い結果として、ECから不器用さへのパス係数が日本とフィリピン、並びに米国とドイツでそれぞれ似た数値を取った。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)非線形と行動発達に関する研究: イメージ変換のひとつであるメンタルローテーションにおいて、周期性からカオス性への移行が、より一般的な事象であるのか検討することが、当面の残された課題である。具体的には、未整理の既得データがあるので、多くの子どもで検証作業を行う予定である。また、報告したように他の認知課題でも類似の結果が確認されてきているので、より普遍的な事象への検証も検討中である。 また、ビーズ通しやウクレレ演奏でのアトラクタに現れたよどみの存在が、メンタルローテーション遂行中でも観察されるか確認が必要と考えている。つまり、一次的なよどみが身体的な動きの調整を表すならば、イメージ操作においてどのような働きがあるのか究明する必要があると考える。 (2)自己制御との関連性(日本、米国、フィリピン、ドイツの比較から): ECはそもそも気質を中心とした自己制御の構成要因である。また、EFは中央実行系に由来し、ECとは領域が異なる構成要素である。ただし質問内容の類似性は否めない。今回のモデル比較の結果、ECから不器用さへの影響が、東洋と西洋で異なる傾向を示すものとなった。極めて興味深い新たな発見といえる。よって、各国間あるいは東洋と西洋のどのような違いが、この相違を反映するに至ったのか検討する必要性があると考える。取得した比較データが示すモデル間のパス係数や相関等の比較検討により、動きに対する自己制御の点から、詳細なモデル間の比較を精査し、文化間比較を行う予定である。また、動きの不自然さの指標として不器用さを測定したが、不器用さとイメージ操作能力との関連性を明らかにしておく必要があると考える。また、必要な場合は、他の分析モデル(例えばGaron et al.(2016)の実施したマルチレベル線形分析)等も視野に入れて検討していく。更に、年度内にジャーナルへのアプライを検討している。
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Report
(4 results)
Research Products
(14 results)