脂質ラフトを標的としたがん・神経変性抑制の分子基盤と予防的治療への応用
Project/Area Number |
19K11740
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59040:Nutrition science and health science-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村井 稔幸 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (20311756)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2022: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2019: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | 細胞・組織 / シグナル伝達 / 分子認識 / 細胞膜 / がん / 神経変性疾患 |
Outline of Research at the Start |
細胞膜の微小なドメインである脂質ラフトは、細胞内外の情報変換の中心的部位として近年注目されている。本研究課題では、脂質ラフトを標的として、がんや神経変性疾患に対して抑制的に作用する可能性を有する物質について、生化学的な解析や顕微鏡を用いた解析などを通じて、脂質ラフトへの作用の分子基盤を明らかにする。そして、がん・神経変性疾患について、予防的治療への応用を検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
脂質ラフト(lipid raft)を標的としてがん・神経変性疾患に対して抑制的に作用する物質を同定し、その分子基盤を明らかにすることを本研究課題の目的としている。細胞膜に形成される微小ドメインである細胞膜ラフト(membrane raft)は、細胞膜において細胞内と細胞外環境との情報変換の機能部位と考えられている。代表者は、がんの浸潤・転移に焦点を当て、細胞膜ラフトがそれらの過程において重要な役割を果たすことを見出し、生化学的な解析や顕微鏡を用いた解析などを通じてその分子機構を明らかにした。 本研究期間では、予備的検討で活性を見出した物質の細胞膜への作用の具体的な分子基盤を明らかにすることを目指し、詳細な脂質ラフト解析を行った。2022年度においては、酵素結合免疫吸着測定法および生化学的解析などにより、その作用機序の解明を進めた。また、神経変性疾患関連分子の機能を調節する物質を新たに見出した。本成果は、がんや神経変性疾患の進行阻止に対する有効な手段の開発などに寄与する可能性を示唆する。 本研究課題の2022年度における研究の実績は、脂質ラフト調節を介してがん・神経変性疾患の病態を抑制する機構の解明を行い、がんに対する免疫チェックポイント阻害療法(immune checkpoint blockade, ICB)や予防的治療法の確立に向けた応用についての貢献につながるのみならず、この分野の生物学においても重要性の高いものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度においては、交付申請書に記載した「研究の目的」および「研究実施計画」に沿って研究を実施し研究成果を得た。しかし、実験機器の故障等の事由により、当初の予定に対してやや遅れて進展していると評価された。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度においては、2019年度から2022年度に得られたそれぞれの成果を統合し、生化学的手法と顕微鏡技術の組み合わせにより、生細胞に対する効果と細胞膜モデル系に対する効果の検討を完結する。本研究により、超高齢化社会に向けた老年性難治性疾患の克服に貢献することを目指す。
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Report
(4 results)
Research Products
(2 results)