Project/Area Number |
19K11755
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59040:Nutrition science and health science-related
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Research Institution | Shizuoka Prefectural Hospital Organization (2023) Kobe Gakuin University (2019-2022) |
Principal Investigator |
田中 清 地方独立行政法人静岡県立病院機構静岡県立総合病院(救急診療部、循環器病診療部、がん診療部、臨床診療部, リサーチサポートセンター, 部長 (90227132)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | ビタミン / ビタミン欠乏 / ビタミン不足 / バイオマーカー / 疾患リスク / 健康寿命 / 国民健康・栄養調査 / 費用対効果 / ビタミンB1 / ビタミンD / 社会的意義 / ビタミンB12 / 胃切除 / 心不全 / 不足 |
Outline of Research at the Start |
ビタミね欠乏より軽度のビタミン不足であっても、種々の疾患リスクが増加する。ビタミンDと骨折リスクに関しては、ある程度研究されているが、水溶性ビタミンと疾患リスクに関しては、わが国においてほとんど研究が行われていないので、心不全・糖尿病・胃切除後・バセドウ病など、種々の病態において、調査を行う。生活習慣病・加齢に伴う疾患など、慢性疾患の予防に役立つ成果を得たいと考えている。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度において、水溶性・脂溶性ビタミンに関して、それぞれ1編の英文原著論文を書いた。①胃がん患者におけるビタミンB12欠乏症:ビタミンB12の吸収には胃酸が必須であり、このため胃切除後には吸収障害によるビタミンB12欠乏症が必ず起こる。しかし肝臓における多量の貯蔵のため、ビタミンB12欠乏症が起こるのは、手術の数年後とされてきた。しかし本調査の結果、術後早期・術前から欠乏者の割合が高いことを見出した。この結果は、臨床栄養学において意義があるだけでなく、臨床医学に対しても意義のあるものと考えている。②動脈硬化性疾患リスクと血清25(OH)D濃度(ビタミンD栄養状態の最も良い指標):日本人健康男性において、血清25(OH)D濃度低値は、動脈硬化性疾患のリスクであることを示した。 わが国ではヒト対象ビタミン研究が乏しいことから、原著以外にも、研究の方法論普及・進歩を目指すため、以下の総説を執筆した。①脂溶性ビタミンのバイオマーカーに関して、最近のヨーロッパの研究を中心とした詳細な総説、②ビタミンのバイオマーカーに関して、最近アメリカから発表された理論に基づいた位置づけの総説、③ビタミンCと心血管疾患リスクに関して、観察研究と介入研究の乖離を踏まえた総説、④脚気症状を示さず、非特異的症状のみのビタミンB1欠乏症者は非常に多いというThiamine Deficiency Disordersの概念に関する総説、⑤ビタミンD不足がリスクとなる高齢者疾患に関する英文の総説。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は、病院などの医療機関・検診施設・高齢者施設などとの共同研究により、ビタミン栄養状態と疾患リスクの関係を調査するものである。COVID-19のため、これら施設への部外者の立ち入りが制限され、研究の実施が困難な状況が継続していた。このため前年度までは、国民健康栄養調査のデータを厚生労働省から提供を受け、その再解析による論文執筆など、実地の調査を伴わない研究を主体にせざるを得なかった。最近やっと、このような状況が改善されてきたが、当初計画よりはやや遅れている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
最近やっと、病院などの医療機関・検診施設・高齢者施設などとの共同研究が復活できる状況となってきたことから、①甲状腺疾患患者におけるビタミン栄養状態:バセドウ病は著しい代謝亢進が起こる疾患である。ビタミンB1はエネルギー代謝、ビタミンB6はたんぱく質代謝により必要量が決まるので、バセドウ病患者では、著しい需要増大のため、これらビタミン欠乏が懸念されるが、従来報告がないため、現在調査を実施中である。②萎縮性胃炎患者におけるビタミンB12栄養状態:胃切除後患者における研究の結果、従来の常識に反し、術後早期・術前から、欠乏者が少なくなかった。日本人の胃がんのほとんどは、長期持続した萎縮性胃炎をベースに発症することから、萎縮性胃炎患者におけるビタミンB12栄養状態を調査中である。 さらに慢性肝疾患患者、慢性閉塞性肺疾患患者、肥満・糖尿病患者などの病態モデルにおいても、調査研究を準備中である。
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