Project/Area Number |
19K11912
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 60050:Software-related
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
石原 靖哲 南山大学, 理工学部, 教授 (00263434)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | データ交換 / 情報公開ポリシー / 問合せ解像度 / CQ-rewriting / 情報公開ポリシ― / アクセス制御 |
Outline of Research at the Start |
複数のサイトが情報を交換・共有した上で,おのおののサイトがその利用者に情報の一部を公開するという状況を考える.この際,情報のもともとの提供者がもつ情報公開ポリシーに反した公開を行うべきではない.しかし,通常,異なるサイトは異なる形式で情報を管理しているため,ポリシーに反しないことを保証するのは自明ではない.本研究では,利用者に許可された問合せの「解像度」という概念を用いて情報公開ポリシーをモデル化する.問合せ解像度は,その問合せがもとの情報の違いをどこまで区別できるかを表している.そして,ポリシーに反した情報公開が一切起きないことを静的に保証した,情報交換・公開フレームワークを開発する.
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は以下の3つの研究成果を得た.まず1つ目の成果として,2022年度の研究成果であり,2023年4月に電子情報通信学会論文誌Dにて公刊された,「弱適切」なターゲット側ポリシの存在とその導出を行うアルゴリズムについて,SMTソルバであるZ3を用いた実装を行った.それ以前に試作していた,Prologを用いた単純な実装では,ソース側ポリシを表す問合せの引数の個数が5以下の場合には処理は数分で完了したものの,6以上にするとメモリ不足が原因と思われるエラーにより実行が完了しなかった.しかし,SMTソルバを用いた実装では,引数が7個の場合でも一般的なノートPC上で約3.4秒で実行できることを確認した.2022年度の研究成果のアルゴリズムは総当たり的に解を探すアルゴリズムではあるが,実用上十分な速さで実行できる可能性を示せたと考えている.この成果は,2024年度の前半に国内の研究集会で発表することを計画している.次に2つ目の成果として,「どのようにターゲット側データが更新されたとしても,その更新を反映したソース側データが自身の関数従属性に違反しない」という意味での「整合性」を検査する問題に取り組んだ.そして,ソースからターゲットを得る問合せが選択演算のみもしくは射影演算のみの場合について,整合性をもつための判定可能な必要十分条件を与えた.この成果は,2023年度秋にソフトウェアサイエンス研究会にて発表している.最後に3つ目の成果として,安全性を考慮しつつ夜間の徒歩経路を推薦するシステムの提案・実装を行った.その成果はデータ工学と情報マネジメントに関するフォーラムにて発表している.提案したシステムは,地図情報や不審者情報を交換・公開するシステムとみなせるため,今後は本研究成果のひとつの具体的な適用先として位置づける計画である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに,弱適切なポリシの存在を正確に判定できる問題クラスと判定アルゴリズムを提案できており,さらにSMTソルバを利用した実装を行うことで,単純な入力例に対してではあるが実行時間も十分に短く抑えられることを確認できた.また,データベースに対して関数従属性などの制約が与えられている場合や,データの更新がある場合についての検討を開始できた.
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Strategy for Future Research Activity |
喫緊の課題として,よりバラエティに富んだ入力例に対して,その実行時間を計測する必要がある.さらに,弱適切なポリシの存在を正確に判定できる問題クラスの拡大を図りたいと考えている.また,データの更新がある場合のデータセキュリティについて,2023年度の成果をベースに検討していきたい.
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