ネコの歩行における小脳による歩容適応メカニズムの四足ロボットを用いた構成論的理解
Project/Area Number |
19K12169
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 61050:Intelligent robotics-related
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
木村 浩 京都工芸繊維大学, その他部局等, 教授 (40192562)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2021: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | constructive model / spinal cat model / thalamic cat model / rhythm generator / gait generation / gait transition / split-belt adaptation / early adaptation / late adaptation / CPG & phase transition / phasic stretch response / crossed ext. response / learning in cerebellum / long-term depression / decerebrate cat model / quadruped robot / 四足歩容自律適応 / Split-belt歩行 / ネコの小脳適応モデル / 四足ロボット |
Outline of Research at the Start |
大脳皮質との接続を切断したネコにベルトコンベア上を歩かせたとき,例えば左前脚のベルトの速度のみを速くすると小脳レベルでの歩行パターン(歩容)適応が行われる.本研究ではこの歩容適応のメカニズムを,数理モデルではなく,脚床反力を中心とした歩容安定化と姿勢安定化の観点からの身体モデルを用いて説明し,四足ロボット実験によりその妥当性を検証する.身体モデルとは,実際の物理量を明示的に扱い,小脳レベルでの歩容適応が「なぜ・どのようにして」生じるかを物理現象として理解するために,具体的な要素間の関係を記述したものである.
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Outline of Annual Research Achievements |
前年(2021)度提案した視床ネコのスプリットベルト適応の構成論的モデルを改善するために,より下位の脊髄ネコのモデルを再定義した.本研究も含まれる「非線形力学系と環境との相互作用による運動創発とその構成論的理解」においては,運動の生成・遷移・適応はすべて同等と考えられる.従って,このモデルの妥当性を検証するために,脊髄ネコの自律適応的な歩容「生成・遷移」と「適応」のシミュレーションによる再現を行った.生成・遷移については,トレッドミル上の脊髄ネコ・後二脚実験(Forssberg 1980)の再現を行い,左右逆位相の歩行生成と歩行・走行遷移を示した.適応については,スプリットベルト・トレッドミル上の脊髄ネコ・後二脚実験(Frigon 2017)の再現を行った.視床ネコで観察された脊髄レベルでの腰伸展による遊脚期間調節に関して,前年度提案した自脚での延長(SAS, Self Adjustment of the Swing phase duration)と対脚での短縮(CAS, Contralateral Adjustment of the Swing phase duration)を用い,脊髄ネコモデルと組み合わせた.シミュレーション結果として,通常スプリットベルト適応では左右着地間位相差が0.5に保たれること,低速スプリットベルト適応では保たれず左右1:2ステップ歩容が現れることを再現した.さらに,この過程を簡略化した「歩容計算モデル」により再現し,腰伸展・屈曲と脚負荷という感覚情報がスプリットベルト適応で果たす役割を明確に示した.これらの結果から,歩容生成・遷移・適応における提案した脊髄ネコモデルの妥当性を示すことができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
脊髄レベルでの感覚-運動機能のモデルを構成し,脊髄ネコ後二脚・トレッドミル上実験の「歩容生成と遷移」および「適応」における重要な特性を再現できた.現在,この脊髄ネコモデルを視床ネコモデルに再度組み込み,四脚ロボット実験で後効果(after effect)の再現を目指している.従って,本研究の最終目的の達成は可能と考えており,おおむね順調であると考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
(1) 視床ネコモデルを再構成し四脚ロボット・スプリットベルト実験で後効果(after effect)を再現し,小脳学習機能に相当する適応が生じていることを示す. (2) 脊髄・運動生成機能と小脳・適応機能の役割を感覚-運動機能レベルで示す. (3) 国際会議(AMAM Jun. 2003, Kobe)等で研究成果を発表し,研究成果についての内外研究者の意見を参考にして,最終報告書をまとめる.
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Report
(4 results)
Research Products
(14 results)