Project/Area Number |
19K12225
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 62010:Life, health and medical informatics-related
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
石原 彰人 中京大学, 工学部, 教授 (80387620)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 網膜 / 錐体視細胞 / 双極細胞 / 数理モデル / 光応答解析 / シナプス / 視覚情報処理 / OFF型双極細胞 / 視細胞 / 情報伝達物質 |
Outline of Research at the Start |
網膜は、眼に映った外界の風景をそのまま脳へ伝えるのではなく脳での情報処理に向けて網膜を構成する神経細胞間での情報のやりとりの中で、視覚情報の前処理を行う知能センサとも呼ばれる機能を有している。その機能の1つに網膜に投影された物体の形や色、動きの情報が異なる神経経路にて並列処理することがあげられる。本研究は、これに関わる神経機序を生理学的に比較的詳細な数理モデルを構築することで明らかにしていくことを目指している。
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Outline of Annual Research Achievements |
網膜において視細胞から水平細胞や双極細胞へと情報を伝達するシナプスは、視覚系における最初のシナプスである。双極細胞での光応答特性を詳細に調べた研究などから、視覚情報に含まれる基本的な特徴に応じた経路がこの最初の神経回路にて分離されていることが示されている。こうした、視覚情報の分離システムは視細胞、水平細胞、双極細胞の3種類の細胞で形成された神経回路の相互作用によって形成されると考えられるが、その詳細は明らかになっていない。 2023年度は引き続き視細胞の中でも明調時に働く錐体シナプスでの水平細胞、双極細胞がおりなるマイクロ回路について、その構造に関する形態学的知見や電気生理学的知見の最新の知見なども適宜導入しながらモデル構築を実施した。このモデルは、錐体シナプスにおける細胞内外での情報伝達に関わる物質の濃度変化と電気現象を関連付けるモデルとして提案するものであり、他の研究者によって報告されているこの部位に関する知見を導入しその実験結果を再現するようにパラメータを推定した。我々は、 構築した錐体シナプスの数理モデルを用いて伝達物質濃度やカルシウムイオン濃度など、シナプス伝達に重要な物質の濃度の経時変化と、膜電位や後シナプス終末である双極細胞樹状突起の電位変化の様子などをシミュレーション解析することが可能になった。この解析結果から、シナプス部位での情報伝達物質濃度変化は、前シナプス終末内のカルシウム濃度変化だけでなく膜電位依存性の細胞メカニズムや、双極細胞樹状突起での伝達物質差動性電流変化に関わることを示唆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
視細胞シナプスのマイクロ回路に関するモデルの構築については、およそ終了しているが新しく報告される知見などを導入しながら改良を続けている。本課題では双極細胞の詳細な光応答解析に用いることができるシナプスモデルの構築を目指していたが、その部分の研究へ到達するまでに時間が必要となり、当初の計画期間を超えての実施になっており遅れている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
計画では4年でこの研究課題について完了する予定あった。コロナなどの社会状況変化への対応などから2年間の延長の申請となったが、研究成果の発表を目指すとともに、網膜での光応答形成に視細胞マイクロ回路での特性がどのような影響を及ぼしているのかに関するシミュレーション解析を進め、こちらもできる限り早い段階でその成果を発表できるよう研究を進めていく予定である。
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