中国における都市化と「都市農村越境コミュニティ」の生成に関する実証的研究
Project/Area Number |
19K12472
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 80010:Area studies-related
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
南 裕子 一橋大学, 大学院経済学研究科, 准教授 (40377057)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
閻 美芳 龍谷大学, 社会学部, 講師 (40754213)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 都市農村越境コミュニティ / 団地コミュニティ / 家族戦略 / 地域支援型農業 / 田園回帰 / 都市農村結合部 / 逆都市化 / 都市化 / 都市・農村結合部 / 農家民宿 / 中国農村 / 混住化 / 団地移転 |
Outline of Research at the Start |
近年、中国の都市近郊農村では、①スプロール化により形成された都市の中の村(「城中村」)、②都市化計画により都市的環境の整備された団地へ移転した村、③離農する村民と田園生活を求める都市民が往来する村、という従来の研究枠組みではとらえ難い地域社会が出現している。 本研究は、急速な都市化に伴い生じたこのような農村地域社会変動を中国的混住化(「都市農村越境コミュニティ」)ととらえ、コミュニティの存立構造(秩序構成原理)や機能にどのような変化が生じ、新たにいかなるコミュニティが形成されるのかを社会学的に解明する。また、このことが中国社会の安定や活力へ及ぼす影響・リスクについても検討を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度もコロナウイルスによる感染症拡大のため中国への渡航がかなわず、当初予定していた中国での現地調査、国際ワークショップの実施は不可能であった。このため以下2つの調査研究を日本国内で実施した。 (1)令和3年度に着手した「都市農村越境コミュニティ」の日中比較研究の継続。都市からの流入者が地域振興に果たす役割とそのための条件について、日本の議論の中国への応用可能性を検討した。特に地方政府の役割という観点から、江西省農村でアクションリサーチを行った研究者をゲストに研究会を開催した。 (2)「越境コミュニティ論」の射程を拡大させる方向を模索し、日本国内をフィールドとする調査研究を行った。中国から日本へ国境という制度を超えて空間移動する人々が集住する埼玉県の団地を対象に、住民、自治会関係者へのインタビュー、関連資料の収集を行った。 子育てのために父母世代を呼び寄せる家族戦略は、令和元年に調査した中国大都市周辺部村落(城中村)におけるものと同じであった。また、同様に、根を張らない流動性の高い人々と地域社会との関係性も棲み分け・共存状態と言え、親世代は中国語のみで団地生活を送る。しかし当初は、流入者の文化・社会的背景の違いが、団地内の秩序の混乱を招き、団地にかかわる多様な主体による建設的な働きかけの結果、棲み分け・共存に辿り着いた。さらに、異質なものの出会いが創発性を生み、新たな団地コミュニティづくりの可能性も僅かではあるがうかがえる。 本研究では、越境コミュニティを、空間や制度を越えて移動する者による、流動性を内包するコミュニティの構造や変容をさぐる概念として措定した。空間や制度の範囲を拡大することにより、家族戦略が交錯する場として地域社会をとらえること、棲み分けによる共存の先の段階をいかに展望するかなど、越境コミュニティ論が内包する意義をより深めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究課題の遂行にあたっては、中国での現地調査、それを踏まえた現地研究者との研究会開催が欠かせない。しかし、コロナ禍にあって、中国への渡航、中国からの研究者の日本招聘は、令和4年度もかなわなかった。 文献研究に加えて、日本での現地調査によって、本研究テーマに別の角度からアプローチし、一定の成果を得ている。だが、本研究の課題として最も重要なのは、中国の「都市農村越境コミュニティ」形成を現地調査で実態把握し、それを踏まえて越境による地域社会の変容を分析することであるため、上記の評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度には、中国での現地調査を再開し、文献研究、国内外での研究会活動により、最終年度としての研究の総括を行う。 現地調査については以下の計画である。①本研究が措定している「都市農村越境コミュニティ」の類型のうち、都市計画により整備された団地への集団移住パターンに対する本格的な調査は未着手である。これを進め、令和元年度の調査で得られた知見・論点との比較を行う。江蘇省太倉市の中心市街地周辺部の調査を予定している。②中国のCSA(Community Supported Agriculture、地域支援型農業)の実践者や農村地域振興支援に従事するNPO等への調査。日中比較を念頭に調査を行い、流入者と地元コミュニティの関係を探る。 研究会については、3種類の形式での開催を予定している。①国内研究会:現地調査に向けた情報共有、分析枠組みの検討。越境コミュニティ論の関連分野として、日本における「関係人口論」や団地の多文化共生問題の専門家等へのヒアリングを実施する。②中国での研究会:現地調査の折に、中国の研究協力者と現地調査結果の分析について討論を行うほか、研究総括に向けた論点整理のための研究会を開催する。③国際ワークショップ:最終年度として、研究総括の国際ワークショップを開催する(開催予定地:一橋大学)。中国から研究者を招聘するほか、日本国内の関連するテーマの研究者にも報告、コメンテータとしての参加を求める。
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Report
(4 results)
Research Products
(14 results)