イランにおける企業の事業維持と資産保全のあり方に関する研究
Project/Area Number |
19K12494
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 80010:Area studies-related
|
Research Institution | Institute of Developing Economies, Japan External Trade Organization |
Principal Investigator |
岩崎 葉子 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 地域研究センター中東研究グループ, 研究グループ長 (40450481)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2019: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
|
Keywords | イラン / 企業 / 経営戦略 / 資産保全 / 地域経済 |
Outline of Research at the Start |
人口規模が大きく旺盛な消費市場を抱える産油国イランには、多くの就労人口を抱える裾野の広い民間部門が存在する。その大部分は中小零細企業でありながらあえて垂直・水平統合を避け、大企業の下請けとなったり同規模の企業との資本合同・協業体制を確立したりすることなく、一見不安定な独立経営を選択している。そうした選択が個々の企業の事業維持と資産保全にとってどのようなメリットを持つのか、またその経営戦略が有効性を発揮する構造的背景は何なのかを、繊維・アパレル産業及び関連する流通業部門の企業を対象として、アンケート調査および個別企業への聞き取り調査を通じて明らかにする。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本科研費プロジェクトに関連する今年度の主要な成果は以下のとおりである。 (1)一つは昨年度から開始したイラン最古の近代的事業者団体である商工会議所の設立と活動に焦点を当てた論考である。これは個別企業の経営戦略を全体の中に捉え直し、イランの特異な企業関係を形づくらせる市場構造全体との関連で論じることを目的としている。今年度は中間報告(非公開)という形で「イランにおける企業連合ー商工会議所の機能と成り立ち」と題する論考をまとめ、商工会議所の組織とその機能を法的な枠組みに基づいて整理した。 (2)二つめは、2019年に行った中規模アパレル企業対象のアンケート調査のデータをまとめた「単独主義的経営と市場ーイラン・アパレル製造企業のアンケート調査をもとに」という論文である。これは現在ジャーナルに投稿中である。アンケート調査の後、コロナ禍のため現地に赴いての追加調査ができなかったため、次善の策として過去のデータの再利用や新たな文献資料の発掘に努めた。論文中では世界の中小企業経営に関する先行研究とそこでの論点を概観したのち、アンケート調査に現れたイラン中小企業経営の特色を指摘し、その市場構造との関連を分析した。 (3)上記に加え、現地調査の実施が困難である現状における代替策として幾つかのオンライン聞き取り調査を実施した。対象は在テヘランのシンクタンク、企業関係者などであった。調査結果はレコードを残しその後文字起こしをしてアーカイブとして残したので、2023年度以降の調査及び成果の取りまとめに活かしたい。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年から2022年前半までCOVID-19の感染拡大によって現地調査が実施できず、本プロジェクトの主眼であった聞き取り調査データがほとんど集められなかった。2022年10月から11月にかけてようやくごく短期の現地調査を再開できたが、現地の感染拡大状況が予断を許さない状況であったことに加え、この時期に甚だしい政情不安が惹起されたため、十分な聞き取り調査は難しくなった。ただし現地に行かなければ検索や入手が難しかった刊行物、統計などを再び収集することができたことは評価でき、不十分ながらも文献中心の調査の足がかりとなった。
|
Strategy for Future Research Activity |
手元にある文献資料の利用に加え、第一義的には可能な限り現地調査の可能性を追求し、追加的な聞き取り調査(半構造化インタビュー)を実施する。ただしこ れはコロナ感染拡大の状況次第である。したがって次善の策として、オンラインでの聞き取り調査を行い、常時、協力者の発掘と調査のアレンジメントに努力したい。
|
Report
(4 results)
Research Products
(11 results)