Project/Area Number |
19K12585
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 80020:Tourism studies-related
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
古本 泰之 杏林大学, 外国語学部, 教授 (10407067)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2019: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | 観光地域 / 美術館 / アートツーリズム / 観光振興 / 観光学 / アート・ツーリズム / アート |
Outline of Research at the Start |
日本の観光地に立地する美術館数は多く、特定地域に施設が集積されている状況からも、美術館は有力な観光資源としての可能性を有している。一方で、単館の取組事例やアート・プロジェクトへの注目が集まる中にあって、美術館とその集積が地域全体のアートによる観光振興にもたらす役割やその展開における課題については十分に検討されていない。 そこで本研究は、日本の観光地に集積する美術館の現状と課題を前提に、美術館が集積する観光地を対象としたアートによる観光振興活動の現状と課題を目的に則して検証し、先進事例地における成功要因分析や関係者へのヒアリング調査等を通じて、美術館が観光振興の拠点の一つになり得る施策を提示する。
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Outline of Annual Research Achievements |
現在まで新型コロナウイルス感染症の影響で大きく研究計画を縮小せざるを得なかったため、これまでは各種資料調査を元に日本国内の自然観光地域において、同種展示内容の中小規模美術館の集積が見られることを明らかにした上で、その集積が顕著に見られる静岡県伊東市伊豆高原地域・山梨県北杜市清里地域を対象に、具体的な美術館の集積過程とその背景にある要因等の調査を実施した。その結果、立地している地域全体における観光地域としての盛衰に連動して美術館の入館者数が増減していること、その一方で地域内の観光に関する他のステークホルダーと各美術館との連動が十分に見られない状況を明らかにしてきた。合わせて、美術館が既に集積している自然観光地域では、アート・イベントを新たに創出することで発展してきた地域とは異なるアプローチによるアートの「再」観光資源化が必要であり、そのためには既存の地域内の各主体やネットワーク組織をつなぎ合わせるような体制の構築が求められることを指摘した。 2023年度においても、2022年度に引き続き適切な時期に国内の観光地域におけるヒアリング調査が行うことができず、引き続き主に各地域に関するデータの再検討とアート・ツーリズムやアート・イベントに関する文献研究を集中的に行った。 なお、2024年度までの研究期間延長が可能となったため、全体目標を変更しない範囲で内容面を再編成する研究計画の調整を行った。国内事例地として長野県安曇野市、山梨県河口湖町、神奈川県箱根町、長野県大町市を選定して資料の収集を行うとともに、観光者の動向を把握すべくウェブによるアンケート調査を行うこととし、アンケートシートを作成した。合わせて、2023年度の成果を公表する準備を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
引き続き新型コロナウイルス感染症の影響を受け、エフォート面において適切な時期に観光地域におけるヒアリング調査が行えず、当初予定していた内容での展開が困難となった。 それを補うため新たに追加の文献調査を進め、引き続きアートを地域全体の観光資源として定着させる施策や地域内美術館の役割・課題、地域全体の観光振興との関係性について分析する作業を行った。合わせて2024年2月より現地調査を行う地域を再検討して資料を収集するとともに、ウェブアンケート調査に向けたアンケートシート作成を行ったが、2023年度の成果はその公表準備の段階にとどまり、進捗状況には課題が残った。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、2023年度に予定していた研究内容を進めるべく、美術館を含めた国内地域内の観光事業者を対象に、美術館設立の背景や現在の取組、観光地全体の振興活動と美術館との関係性等のインタビュー調査を行い、既存の美術館を舞台としたアートツーリズムによる観光振興を進める上での課題を明らかにしていく。合わせて、複数のアートフェスティバルへのインタビューを予定しており、野外型のアートツーリズム振興策と既存美術館との連動可能性を検討する。 また、観光地における美術館利用の選択行動を明らかにすべく、観光者に対するアンケート調査を行う。(新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえてオンラインサーベイを予定) それらの取組と既存の研究成果を統合させることによって、自然観光地域における美術館の集積をアートによる観光振興につなげるための要因と施策を明らかにする。
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