Political Education for New Voters in Japan and Media frame.
Project/Area Number |
19K12703
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 90020:Library and information science, humanistic and social informatics-related
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
小川 恒夫 東海大学, 文化社会学部, 教授 (60256162)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2019: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 主権者教育 / 新有権者 / 情報フレーム / 争点学習動機 / 熟慮型世論 / 争点情報フレーム / 新科目公共 / 政治的関心 / 争点熟慮度 / 新科目「公共」 / 選挙争点 / 学習動機 / 討論 / テキスト / 選挙 / 情報 / フレーム |
Outline of Research at the Start |
我が国だけでなく先進各国の生徒向けの選挙関連教本の情報フレームを分析しながら、全国から有意にサンプリングされた16歳から18歳の新有権者対象群に対して調査を行い、討議・投票過程での争点熟考動機を高める要因を、受け手側の情報処理能力(自己効力感等)と、送り手側からのテキスト・配布資料(情報フレーム)との関係から考察する。 実験室的調査では、争点への事前知識をある程度有する人に限った場合、同じメリット・デメリット情報であっても、新有権者から想定できる生活圏への影響予測を付加した方が争点への熟考動機や対話動機を高かめやすいという仮説に注目する。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、以下に述べる2021年度の調査研究成果に基づいて、2022年9月18日に日本グループ・ダイナミックス学会(於:立命館大)にて個人発表を行った。また、同内容の成果をまとめた論文を2023年3月に日本政治学会の学会誌に投稿した(5月20日現在査読中である)。 この研究成果は、2021年10月に実施した「原子力発電の是非」を争点に実施した全国17歳から19歳400名への調査結果に基づいている。この調査では、①2019年発行の実際の高校教科書「現代社会:第一学習社、2018年度版」に掲載された同争点についての模擬ディベートの討論内容と、②実際の大学生8名が「争点情報を身近に感じる:身近さ」と「賛否によって何らかのメリットとデメリットを想定できる:実利性」を意識して作成したディベートの討論内容を読前・読後に比較し、どちらの情報群が同争点への学習動機を向上させているかを比較したものである(有意水準5%) 各情報群を読んだ実験参加者は、各グループ全国サンプル200名で、両情報群間で「身近に感じる」の点においてのみ有意差(10%水準)が検証されている。 この調査での発見点は、①「身近に感じる」争点情報群、かつ、②自己効力感を3群(低・中・高)に分けた場合の高群においてのみ、他の属性グループと比較し有意に争点学習動機が高まる傾向性を検出したことである(5%水準)。 また、2022年10月には、従来の公民科科目「現代社会」に代わって、2022年4月から必修化された科目「公共」に記載された「外国人労働者受け入れの是非」(実務出版)を争点情報として、全国17歳から19歳400名を対象とした同様の調査を実施した。この調査でも、上記の研究成果と同様な結果が検出され、2023年3月20日に東海大学文化社会学部紀要第9号に調査結果を論文として掲載した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2年間の延長を許可されたため、計画はおおむね順調に進展している。全体の調査計画では、計3回の新有権者を対象とした全国調査を実施する計画になっている。①「原発再稼働是非」②「外国人労働者受け入れ是非」③「高齢者への社会保障費の現役世代一人当たり負担額増の是非」がそれである。 2021年の第1回目調査「原子力発電の是非」に続き、2022年には第2回目調査「外国人労働者の受け入れ是非」を争点とした全国規模のサンプル調査(400名)を行うことができた。政治争点を変えた第2回目調査でも、上記に示した仮説は第1回目調査と同様に検証されている。また、これまでの調査結果を学会発表(日本グループ・ダイナミックス学会)と論文発表(東海大学文化社会学部紀要9号)にまとめることができた。 2023年には、2022年から高校での公民科科目「現代社会」に代わり、必修科目となった「公共」の教科書・資料に掲載された模擬ディベート用の具体的な政治争点情報を用いて、第3回目の調査「高齢者に対する現役世代一人当たりの社会保障費負担の引き上げ是非」を実施し、高校レベルでの主権者教育用の教材のあり方について、上記仮説の有効性を検証する最終段階に至っている。
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Strategy for Future Research Activity |
助成最終年度の本年2023年には、上記記載の計2回の調査と同様のサンプル特性と情報フレーム特性において、2022年度発行の高校必修科目「公共」の教科書(実務出版)に記載された「高齢者への現役世代一人当たりの社会保障費負担増額の是非」を争点にして同様の調査を実施する。教科書記載のフレーム情報と現役の新有権者層に近い大学生が作成した情報フレームを比較し、新有権者層が、どちらの情報フレームを「身近」「実利」に感じるかを測定した後、全国規模の調査協力者(各200名計400名)を用いて、情報フレーム間の「争点学習動機」「会話志向性」の差異を比較検討する予定である。 尚、分析結果を2024年3月刊行の東海大学文化社会学部紀要11号に発表し、同年の「日本教育心理学会」ではこれまで3回の調査結果を個人発表する予定としている。また、過去3年間、コロナ禍で行えなかった現地高校での高校生および社会科教員への聞き取り調査を実施する予定である。
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Report
(4 results)
Research Products
(5 results)