On Applying Moral Theories in Kant. Exception, Collision of Duties, and Discrimination
Project/Area Number |
19K12929
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 01010:Philosophy and ethics-related
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
石田 京子 慶應義塾大学, 文学部(三田), 准教授 (80736900)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | カント / 実践哲学 / 法哲学 / 基本的人権 / 倫理学 / 理論の実現 / 義務の衝突 / 例外 / 差別 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、道徳法則の例外や義務の衝突、人種差別や性差別に焦点を当てて、カント実践哲学において理論を現実に適用する際に生じる諸問題を検討し、その有効性と限界を確定することである。最終的に、①カントの道徳理論を現実に適用する際に問題になりうる事項とその解決を導きうる概念を整理し、②定言命法や人格の尊厳のような形式主義的・普遍主義的な原理から現実世界での行為を導くのに必要な条件を定式化し、③功利主義や徳倫理学といった他の倫理学理論との差異を明らかにすることを目標とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は日本哲学会機関誌『哲学』で「人類の道徳的進歩とは何か――カント哲学からの一考察」というタイトルの論文を公表した。この論文は前年度の大会シンポジウムで行った提題にもとづくものであり、道徳的進歩という概念が、目的論的・歴史哲学的な意味において理解されるべきであり、これから起こる出来事の理論的予測とはみなされることはできないということ、むしろ、進歩の可能性を提示することによって義務を果たさなければならないということを確証するという実践的な意義をもつことを明らかにし、また、アクセル・ホネットの「後戻りできない進歩」におけるカント解釈に依拠して、人類の道徳的進歩に「人類にとって何が道徳的理念として実現すべき課題なのかを人類自身が理解すること」がなければならないことを示した。 また、2022年度にはR・モサイェビ編『カントと人権』の翻訳を出版した(監訳・共訳)が、2023年度には同書の監訳者・共訳者とともに、「カントと人権」をテーマとしたワークショップを開催し、そこで「カントと<人権の哲学>の可能性について」という題で発表を行った。その発表ではまず、カント哲学における尊厳や自己自身に対する義務といった思想が人権概念を基礎づけるかどうかを検討した。さらにカントの法哲学のうちに、現代的な基本的人権と類似したものを見いだせるかどうかを、生得的な権利としての自由についてのカントの見解や、国家に先行するものとしての「人権」と国家の一員として保持することの可能な「市民権」との対比を用いながら考察した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度まではコロナ禍で国内外への出張ができなかったため、使用できなかった。2024年度は国内外への出張(発表あり)を予定している。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、国内外での発表および他の研究者との意見交換の場を対面で持つことを予定しており、法哲学や戦争の問題をめぐるこれまでの研究成果を発表することを考えている。
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Report
(5 results)
Research Products
(13 results)