Project/Area Number |
19K13037
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 01070:Theory of art practice-related
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Research Institution | Keio University (2022-2023) Toho Gakuen School of Music (2019-2021) |
Principal Investigator |
岡田 安樹浩 慶應義塾大学, 文学部(日吉), 講師(非常勤) (70836022)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2020: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | ワーグナー / ニーベルングの指環 / 神々の黄昏 / 楽譜の筆跡研究 / コピスト / 楽譜校訂 / オペラ研究 / 歴史的情報に基づく演奏実践 / 管弦楽法 / 批判校訂版 / 筆写譜 / オペラ / 校訂 / 音楽学 / 文献学 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、リヒャルト・ワーグナーの楽劇《神々の黄昏》の「最終稿」を復元する試みである。 この作品は、日本を含む世界中のオペラ劇場で上演され続けている作品だが、今日使用されている楽譜は、もっとも学術的な信頼度の高い「批判全集版」でさえも、作曲者の最終的な意図を反映していない。 その要因は、ワーグナーが1876年8月の初演時に多数の変更を指示したにもかかわらず、その変更が書き込まれた楽譜は長らく失われたと考えられていたことにある。しかし近年、申請者はこの楽譜資料を再発見した。本研究は、これを主要資料として楽譜の校訂を行ない、《神々の黄昏》の「最終稿」を提示するものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、5月より外国での追加調査を再開できる見込みがたち始めたものの、現地調査は実現できなかった。そのため、2023年度中に研究を完成させることができなかったが、関連する楽譜資料の新発見があり、これまでの研究成果が補強されることとなった。 新たに発見された資料とは、《神々の黄昏》の自筆総譜から直接筆写された筆写総譜で、初演パート譜の作成時に原本楽譜として使用され、ショット社刊行の初版総譜の彫版見本楽譜(版下)としても使用されたものである。すなわち、本研究課題である「初演パート譜」の作成過程に深く関わった資料であり、自筆総譜完成から初演までの間に行われたと想定される作曲者による修正をも記録している可能性が高い資料である。 本資料は1984年以来、公には所在不明となっていたが、これまでの研究過程において、フランスのプライヴェート・コレクションになっているという情報を得ていた。本資料は本研究にとって極めて重要な資料のひとつであるため、閲覧を実現すべくこれまでもコレクションの管理に関連する団体等を調べ、問い合わせを行っていたが、不首尾に終わっていた。 しかし2023年8月に、現在このコレクションを寄託されているパリのフランス国立図書館に問い合わせたところ、現所有者との仲介を引き受けてくれることとなり、交渉の結果、全ページをデジタル画像データとして取得することができた。年度の後半は本資料の分析に費やし、新しい事実を複数発見するに至り、その公表のための準備を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
外国での追加調査が実現できなかったことに加え、新資料の発見があり、その分析を行う必要がでたため。
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Strategy for Future Research Activity |
新発見資料の分析結果を学会発表等で公表する。さらに、実現できていなかったミュンヘン、バイロイト、ウィーンでの追加調査を行い、研究を完成させる。
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