第二次世界大戦期アメリカ文学批評の創出と美感的言説の変容
Project/Area Number |
19K13122
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 02030:English literature and literature in the English language-related
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
千葉 洋平 中京大学, 国際学部, 准教授 (30802821)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2021: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 文学批評 / プロパガンダ / aesthetics / 教授法 / 新批評 / 人文学 / aesthetic / 信仰 / 美学と政治 / 言語教育法 / 文学領域の学際性 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、アメリカ合衆国1930年から40年代において生成された文学批評を、その歴史的状況や知的な交流、そして「美学」への関心を紐解くことで、芸術と社会のつながり、そして文学教育のあり方を解き明かすものである。中心となる問いは、「言語が誤解や解釈の多様性を生み出すという問題に、どのように文学批評家たちは他の学問の知見を取り入れて対応し、どのような文学の教授法を推進するに至ったか」である。本研究は、これまで文学領域の核心を成してきた人文主義を支えると同時に、「ポスト真実」と呼ばれる現代にも十分に共鳴する大戦期の言語の問題と、先人の核心的な応答と戦略を現代に提示しなおすものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、令和3年度に実施した発表を出版というかたちでまとめる作業をおこなってきた。これまで収集したアーカイブ資料を精査することで、修辞学に対する2人の関心の共通項を発見することができた。それまで「美学aesthetics」の範疇とされていた作品の特徴を社会との接点から読み解く中で、実際に教室で教える経験を通して修辞学を更新しつつ復活させようとしている。また彼らが、第二次世界大戦期のプロパガンダ研究への反省を踏まえた上で、これまでの人文学を総括するとともに、一般教育や言語教育における教授法を構築してきたことも確認できた。彼らの功績は、第二次世界大戦後のシカゴ大学やハーバード大学の一般教育に見ることができるが、それと同時に冷戦へと突入しつつある時期の各大学の学術的・政治的不和によって周縁に置かれることとなり、新批評が批判されるようになる流れの中で、文学史や文学批評史において無視されるようになってきたと言えるだろう。
以上のような2人の知的関心のあり方と時代背景を考えると、彼らの功績を十全に評価することは、文学教育だけでなく人文学の発展に寄与することになるだろう。また一般教育と文学的読解や文章作成をすり合わせる彼らの試みは、戦後アメリカや日本における高等教育の成り立ちについて新たな視点を与えるだけでなく、現代日本における文学・言語教育を再活性化させる重要な手がかりとなるだろう。
残念なことに、令和3年度もコロナ禍の影響による、海外渡航や施設の利用が制限され、BurkeとRichardsの関係をさらに深く明らかにすることができなかった。また発表を予定していた学会が中止されたため、研究内容について建設的な意見を交換できる機会が限定されてしまい、発表・出版業績としての成果にはつながらなかった。次年度はこの不足部分を補いつつ、着実に研究結果を残すようにする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画最終年度に予定していた研究内容ののうち、I. A. Richardsの日本での活動に関わる調査についてはある程度成果があったものの、アメリカにおけるアーカイブ調査が達成できなかった。この調査は令和元年度3月に予定されていたものであったが、コロナウィルス対策によりアメリカへの移動を断念せざるをえなかった。 コロナ・ウィルス流行前の令和元年度の夏の研究調査で集めていた資料から得た発見は、令和3年度の口頭発表に結び付けたが、約3年に渡る渡航制限により研究計画の遅れを埋めるまでには現時点では至っていない。当該年度については、渡航制限が解除されることを見据えた上で、研究の進捗状況を「おおむね順調に進展している」としたが、渡航を見合わせる状況であったため、最終的な研究成果のかたちにすることができず「やや遅れている」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度は、これまで延期してきた研究計画を着実に実行していくために以下の通りに研究を総括していく。
1. 夏季においてプリンストン大学及びハーバード大学にてアーカイブ調査を行う。 2. BurkeとRichardsに関する調査の結果を論文というかたちで発表する。 3. 日本の高等教育における文学教育法を考案する。
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Report
(4 results)
Research Products
(6 results)