Project/Area Number |
19K13128
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 02030:English literature and literature in the English language-related
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Research Institution | Hiroshima Jogakuin University |
Principal Investigator |
戸田 慧 広島女学院大学, 人文学部, 准教授 (30756763)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2019: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | アーネスト・ヘミングウェイ / 動物 / 動物性愛 / ジェンダー / LGBTQ+ / クィア批評 / ヘミングウェイ / クィア研究 / アメリカ文学 |
Outline of Research at the Start |
「動物性愛」は長らく宗教的、倫理的異端と見なされ、文学研究においても本格的に扱われることがなかった。本研究はヘミングウェイ文学における「動物性愛」を、異端的性愛として排除するのではなく、同性愛等と同じく、性のあり方の一つとして考察する世界初の研究である。 初期の原稿や死後出版作品の一次資料、ヘミングウェイの蔵書を併せて分析することにより、これまで知られることのなかったヘミングウェイ作品における「動物性愛」の描写を新たに発見することが可能であると思われる。この成果はヘミングウェイ研究にとどまらず、アメリカ文学研究、性科学、精神分析、LGBT運動に新たな展開を促す一助となると考えられる。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年8月にアメリカ合衆国ボストンのジョン・F・ケネディ・ライブラリーにてヘミングウェイ作品の草稿研究を実施した。特に死後出版作品である『海流の中の島々』の草稿を集中的に調査し、編集者やヘミングウェイの親族による取捨選択がなされる前の作家自身の意図した原稿を読み、「動物性愛」という要素についてより深く分析することができた。また、草稿だけでなく、ヘミングウェイについて書かれた多くの新聞や雑誌の切り抜きのアーカイブも調査することができ、当時の読者によるヘミングウェイの評価やヘミングウェイが関心を持っていた事柄についても資料を集めることができた。 結果として、動物性愛というテーマについて、編集者や親族による大幅な改定や削除などは見られなかったが、動物性愛に関連した表現について、ヘミングウェイ自身による細かな書き込みや修正を確認することができ、このテーマがヘミングウェイにとって重要な要素であったことが判明した。 また、ヘミングウェイ協会の学会に参加することで、ヘミングウェイ研究に関する最新の情報を収集し、本研究の今後の発展につながる書籍などの情報を得ることができた。ジェンダーに関する書籍を購入したことで、より幅広い意味での人間と動物の関りについて学ぶことが可能となり、本研究の位置づけを再構築する準備を整えることができた。今後、他の国や時代の文学に描かれた動物性愛の表現とヘミングウェイ作品を比較する上で、動物性愛を性愛のどのような側面として認識できるのか整理することは重要であると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年から発生した新型コロナウイルスの影響によって、2019年から予定していた海外での一次資料研究のうち、キューバとヘミングウェイの故郷オークパークでの資料調査を実施することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、他の英米文学などに描かれた動物性愛と比較しながらヘミングウェイ作品の分析を行うと同時に、これまで実施することができた調査結果や作品の分析結果を2024年7月にスペインにて実施される国際ヘミングウェイ協会(The Hemingway Society)の国際学会で発表する予定である。また、研究成果を論文としてまとめ、日本アメリカ文学会、日本ヘミングウェイ協会等の学会誌に投稿し、発表する予定である。
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