Project/Area Number |
19K13229
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 02080:English linguistics-related
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Research Institution | Fukuoka University (2021-2023) Kyushu Sangyo University (2019-2020) |
Principal Investigator |
武内 梓朗 福岡大学, 公私立大学の部局等, 講師 (00782731)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2021: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2020: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2019: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | Applicative / 再帰 / 受容者受動構文 / have構文 / 弱形再帰代名詞 / 強形再帰代名詞の弱形用法 / ドイツ語 / オランダ語 / 再帰代名詞 / expletive Voice / 独英比較 / 虚辞 / 中間構文 / 場所理論 / 他動詞 / 自動詞 / Virtual Reflexives / Transitive Inchoatives / Indirect Reflexives / Voice / 再帰構文 / 意味役割 / ヴォイス |
Outline of Research at the Start |
英語を含む自然言語には、(再帰)代名詞のような明示的な言語記号を用いた再帰構文と、再帰的な意味を持つ動詞によって作られる再帰構文がある。これらの構文の中には、その頃に「場所」や「着点」といった意味役割が付与されているものがある。「場所」や「着点」ならびに「起点」といった意味役割を仮定することで統一的に説明可能な再帰構文とその理由を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、一般的に与格項や間接目的語項を導入する主要部として仮定される主要部 Appl(icative) が、構再帰的関係を構築するという提案を行った。このために、ドイツ語の受容者受動構文についての先行研究、特に、McIntyre (2006) とOya (2015) を概観する必要があった。 ドイツ語の受容者受動構文についての研究を概観する理由は、以下の通りである。主要部Applは、例えばドイツ語の与格項を導入するものと仮定されてきた。McIntyreは受容者受動文とそれに意味的に対応する文が同一の事態を指し示すのは、受容者受動文に生起するbekommen/kriegenの主語とそれに意味的に対応する文の与格が、同一の意味関係を担っているからである。その意味関係は、John had his car stolenのような英語のhave構文が表しているものである、と示唆している。Oya (2015) はこの示唆をさらに推し進め、ドイツ語の与格だけではなく受容者受動文の主格主語も主要部Applによって導入される、と主張している。どちらも同一の種類の主要部によって導入されているので、同じ事態を表すことができる、ということである。加えて、ドイツ語の受容者受動文と同じように、英語のhave構文の主語も主要部Applによって導入されている、と示唆している。 英語のhaveという述語は再帰的関係をその主語と補部間に結ぶという観察を鑑み (e.g. Inoue (1995), Belvin and den Dikken (1997))、John had his car stolenのような文において仮定される主要部Applは、この関係を構築する働きがあることを提案した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
数年前から始めたドイツ語の勉強が、まだ途上であるが、進展しており、ドイツ語についてドイツ語で書かれた論文をならびにデータを、機械翻訳の助けを借りながら読めるようになってきた。これが、研究課題遂行の助けになっている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、The soup raised its temperatureといったタイプの文を分析予定である。これも再帰的な文である。このタイプの文は、英語やドイツ語といったヨーロッパ系の言語だけでなく、日本語にも存在することが知られている。例えば「円がレートを下げた」というものである。Schafer(2024) はこのタイプの文の統語構造に、ドイツ語のmarked anticausativeの統語構造に仮定されるexpletive Voiceを仮定している。この仮定の妥当性をまず検証していく予定である。
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