Project/Area Number |
19K13249
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 02090:Japanese language education-related
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
山本 真理 関西学院大学, 日本語教育センター, 准教授 (00743212)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2021: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 日本語初級文法 / 質問発話 / 発話末「かね」 / 知らない / わからない / 依頼 / 引用 / 聞き手反応 / はい / うん / わかる / なるほど / 会話分析 / 場面・状況 / 話しことば / 語り / 日本語教育 / 初級の指導項目 / 話すための文法 |
Outline of Research at the Start |
本研究では日本語教育の初級教科書で提示されている「表現・文法項目」及び「場面」が実際の会話の中でどのように使用(もしくは実践)されているかを会話分析(Conversation Analysis)(Schegloff,2007)の手法で調べ、実際の会話と整合している点とそうでない点を明らかにする。もし教科書で提示されている項目が実際の会話と乖離している点があるとすれば、それをどのように修正し、日本語学習者に提示すべきかを検討する。この研究によって、例えば学習項目としてあげられている文法項目が形式上単純であっても、使われる場面が複雑なので初級でとりあげるのは適切でないといったことがわかる。
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Outline of Annual Research Achievements |
1)初級で学習する疑問を表す「か」と終助詞「ね」が発話末につく現象を発見した。インタビュー場面における質問発話に「かね」が使われる事例を収集し、相互行為上の機能を明らかにした。インタビュアーは質問をしつつも完全に知識のないものとして振る舞うのではなく、インタビュイーの応答からの推測によって徐々に相互理解が進んでいることを表示する。授業活動の中で学習者にインタビューをさせることがあるが、「(です)かね」を用いることで、インタビュアーとインタビュイーの知識状態の均衡が徐々に取れていくことが示すことができることを主張した。成果は2023年度日本語教育学会秋季大会にて発表した(口頭発表)。 2)「依頼」のやり方の一つとして、他者の発話の引用を用いて相手に何かをさせる発話に注目し分析を行なった。依頼は「XXてください」「XXていただけませんか」のように典型的な文法項目とともに導入される。本研究が示すのは、第3者の発話を引用すること(例「XXXと言った/言っていた/言われた」)で、結果的に相手に何かをさせるよう求める発話である。こうした発話は依頼の受諾の可否が不明な場合(例えば、無理な/唐突なお願い)において相手の出方を探る一つの方法として用いられることが示唆された。成果は第26回語用論学会(2023年12月9日)で発表を行なった。現在、proceedingsの原稿執筆を終え、2024年度内に発行予定である。 3)以前より分析を行なっていた「知らない」「わからない」の収集を引き続き行った。成果は2024年日本語教育国際研究大会 (ICJLE2024)にて発表の予定である。 全体として、初級の項目全体の洗い出しとまでは言えないものの、これまで初級で扱われいた言語形式、文法項目の一部について、相互行為の観点からの新たな機能や使い分けについて記述ができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していたような初級文法全体の洗い出しとまではいかないものの、初級で扱われる現象の一部の機能について記述がなされつつある。これらの機能や表現ごとの使い分けは初級の学習者にとっては複雑である。 一方で、ここで明らかになった機能や使い分けは中級以上で学ぶ項目として提示することができると考えている。成果の一部は、全国学会、国際学会での発表を完了・予定している。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度に学会で発表をした内容については原稿にまとめ、2024年度夏までに投稿を予定している。同時に2024年度に発表を予定している内容については、引き続き分析をすすめ、発表と同時に原稿にまとめる準備を行う。 なお、以前まとめた「うん」「うんうん」の使い分けに関する原稿は、編者に進捗を確認したところ、今年度内の出版を目指して準備しているとの回答を得ている。
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