Project/Area Number |
19K13351
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 03020:Japanese history-related
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Research Institution | Kyoto Seika University |
Principal Investigator |
吉永 隆記 京都精華大学, 人文学部, 講師 (20778964)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2020: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2019: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
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Keywords | 荘園 / 環境復原 / 地名 / 屋号 / 中世史 / 村落 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、中世の荘園や村落の研究に対し、歴史学的手法のみならず、地理学的手法を積極的に取り入れ、地域社会に即した荘園・村落研究を進めていこうとしている。すなわち、これまで文献史料をもとに進められてきた荘園・村落研究に対し、近年の荘園研究でも援用されるようになった地理情報ソフトの活用や、その他の地理学的研究手法に学びつつ、荘園の歴史地理情報を収集・分析し、史料的制約という課題を乗り越えた荘園・村落研究を実施していくものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、2つの地域を設定し、荘園調査を通じて、現地の地名情報の収集や景観調査などを行い、情報整理を行った。設定した地域は、①著名な新見庄でも注目された産鉄の特徴をもつ備中国高梁川流域と、②京都と距離的に近く、支配の変遷も比較的追うことが可能なな丹波国の荘園である。いずれの地域も山間部に位置する荘園を選定したが、その成果を比較し、地名の痕跡や地形について、どのような違いや共通点が見出せるかも注目した。 現地調査では、中世荘園の環境復原を目的に、地名・屋号・地形・地域伝承などに注目し、歴史地理的観点から検討を行い、地形や公図との比較検討を進めることができた。 研究成果を概括すると、A.石清水八幡宮領備中国吉川保のうち、故地の一部となる黒山地域(岡山県加賀郡吉備中央町黒山)、B.相国寺領備中国大井庄のうち、荘内北部に位置する間倉地域(岡山市北区間倉)、C.祇園社領丹波国波々伯部保の故地全域(兵庫県丹波篠山市上宿ほか)、D.神護寺領丹波国吉富庄のうち吉富本庄とされた旧宇都郷地域(京都市右京区京北下宇津町ほか)の4地域を対象として、地名と現地景観の確認および撮影、地形の確認等を行った。このうちBについては、環境復原を含め、その集落の展開についても検討を行うことができた。Cについては、現地地形や集落の状況を含め、地域の歴史情報をアーカイブ化する基礎情報の整理をすることができた。AとDについては、現地調査を一通り終了し、地名や屋号などの情報を整理することができたが、その詳細な検討は課題として残ることとなった。 加えて、AとBの調査を進めるなかで、備中国一宮領をはじめとした近隣地域についても調査を進めることとなった。一宮社領はBの大井庄南部に位置する荘園群であり、支配構造にかかる共通点もいくつか確認することができた。
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Report
(5 results)
Research Products
(5 results)