Project/Area Number |
19K13358
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 03020:Japanese history-related
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Research Institution | Gangoji Institute for Research of Cultural Property |
Principal Investigator |
服部 光真 公益財団法人元興寺文化財研究所, 研究部, 研究員 (00746498)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2020: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2019: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 木札 / 金石文 / 中世史料学 / 普門寺 / 本興寺 / 円成寺 / 木札文書 / 供養札 / 三河普門寺 / 遠江本興寺 / 御霊神社 / 庶民信仰資料 / 仏教民俗資料 / 中世木札文書 / 中世史料 / 木簡 / 中世文書 / 中世寺院 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、中世木札文書の事例収集および個別の木札の具体的検討により、木札文書の類型化および歴史的変遷をまとめ、その史料的特質を明らかにするものである。中世木札については、近年の中世史料学でその多様性が確認され、中世史料として特殊例外視せず、むしろ紙本の文書を相対化しうる基本的な中世史料の一つとして位置づけられつつある。申請者も、これまでの地域社会史研究のなかで中世木札を史料として積極的に取り入れ、個別的に検討を行ってきた。こうした研究状況を踏まえ、本研究では事例収集によるデータベース化を行うとともに、個別の資料についても、銘文のみではなく木札資料の原物調査による形態論・機能論的検討を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では(1)中世木札文書の個別事例の具体的検討、(2)中世木札文書の事例収集という大きく二本立てでの検討を進めた。 (1)中世木札文書の個別事例の具体的検討として、今年度は近江国湖東地域の木札資料や、研究分担者を務める科研費「寺院伝来の文献史料および文字史料の総合による中近世寺院史料学の構築」(基盤研究C、研究代表者三宅徹誠氏)との連携により大和国忍辱山円成寺所蔵木札を調査した。昨年度まで関連資料調査を行ってきた遠江国本興寺の木札・関係資料については、調査成果を踏まえた新稿を執筆して提出した。来年度中には刊行される見込みである。また、今年度は赤外線カメラ撮影による記録保存も課題とした。大和国御霊神社本宮所蔵の一揆契状木札は状態が良くなく、記録保存が必要と判断されたため、赤外線カメラによる撮影を行った。本格的な赤外線撮影画像は初めてのものとなる。また三河国普門寺所蔵の中世木札3点は修復のため当研究所に寄託されており、記録保存の好機であるため、赤外線カメラによって細部にわたり撮影を行った。また新出の個人蔵の中世木札についても記録のため写真撮影を実施した。 (2)中世木札文書の事例蒐集として、先学の成果に学びつつ諸種の史料集から、現存する木札の例、古記録や近世地誌などに写された木札の例の集成を進めた。こうした事例蒐集や個別事例の研究を踏まえて、聖教調査の成果を積極的に取り入れていくべきことが自覚され、研究分担者を務める「寺院伝来の文献史料および文字史料の総合による中近世寺院史料学の構築」(前掲)での忍辱山円成寺調査で確認された聖教から木札関係の資料を見いだし、分析を行った。その成果は、神奈川県立金沢文庫で開催された第4回日本宗教文献調査学合同研究集会「聖教書誌学を考える」にて、「寺院史料のなかの「聖教とそのかたち」―木札資料・板木との関係に注目して―」と題して報告した。
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