Social Structure of the Indus Valley Civilization: Studies in the Relationship between Ancient Cities and Villages through Modes of Production and Modes of Exchange
Project/Area Number |
19K13402
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 03050:Archaeology-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小茄子川 歩 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 特任准教授 (20808779)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | インダス文明 / 文明 / 社会構造(都市と農村の関係性) / 生産様式と交換様式 / 貨幣 / 中心・周辺・亜周辺 / バッファ / 南アジア基層社会文化・政治経済史 / 社会構造 / 都市と農村 / 中心と周辺 / 南アジア基層社会経済文化史 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、インダス文明の社会構造の一側面を解明することである。その方法は、発掘調査をはじめ、第一に考古学的手法に基づく。具体的には以下のような研究を行う。 当文明社会の都市と農村から出土した物質文化をマクロ・ミクロレベルから考古学的に検討することで、物質文化にみられる異同(「統一性」と「多様性」)を把握し、都市と農村における生産様式と交換様式のあり方を明らかにする。そして物質文化にみられる「統一性」と「多様性」の相互の関係と歴史的意義を明らかにし、都市と農村の実態と両者の関係性、すなわち当文明の社会構造の一側面を解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、インダス文明の社会構造の一側面を解明することである。その方法は、発掘調査をはじめ、第一に考古学的手法に基づく。具体的には以下のような研究目的がある。 ①:当文明社会の「都市(都市的集落も含めておく)」と「その他の集落(主に農村)」から出土した物質文化をマクロ・ミクロレベルから考古学的に検討し、物質文化にみられる「統一性」と「多様性」を把握する。②:「都市」と「その他の集落」における生産様式と交換様式のあり方を、①の研究成果に基づき検討し、明らかにする。その際、南アジア前近代史研究や人類学的研究の成果も積極的に参照する。③:①と②の研究成果に基づき、「都市」と「その他の集落」の実態と両者の関係性を明らかにする。 本研究では上記①②③の研究目的を完遂することで、物質文化にみられる「統一性」と「多様性」の相互の関係と歴史的意義を明らかにし、当文明の社会構造の一側面を解明する。 2022年度は、①と②の研究成果に基づき、③の研究目的を完遂するために、前年度に引き続き、「都市」と「その他の集落」から出土した遺物・遺構の詳細を比較検討した。この研究により、「都市」と「その他の集落」における生産様式と交換様式の異同が明らかとなりつつあり、両者の実態と関係性を検討できる段階にはいった。さらにラキー・ガリー出土のインダス式印章について、前年度同様、走査型電子顕微鏡を用いた観察を実施し、製作技術というミクロレベルでの検討を行った。この研究により、「その他の集落」にみられる当文明社会の「統一性」としてのハラッパー文化の実態について、その一側面が明らかとなりつつある。 2022年度に実施した研究の意義、重要性は、前年度に引き続き、研究目的①②③の完遂に向けた有意義かつ実証的な基礎データを蓄積できたことにある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、昨年度に引き続き、2022年度に予定していたインド調査を予定とおりには実施することができず、延期せざるを得なかった調査スケジュールがあった。それにともない、2022年度未使用額が発生している。 いっぽう国内で実施できる調査研究は順調に進め、また昨年度に引き続き、「比較考古学研究会」を企画・運営し、当科学研究費助成事業の研究目的の達成を視野に入れた多角的な議論を行った。くわえて国際シンポジウム“Innovative Approaches to Traditional Archaeology in South Asia: Indus to Early Historic Periods”に参加し、当科学研究費助成事業の成果の一部を報告した。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により見通しのたっていなかったインド調査も、2022年度より実施可能な状況となってきた。ただし新型コロナウイルス感染症拡大のため、2020・2021年度は申請者自身による現地調査をまったく行えなかったという事実があり、当初予定していたラキー・ガリー遺跡周辺に存在する「農村」遺跡のサーベイ・試掘調査は、その計画から仕切り直しが必要である。 当科学研究費助成事業は、上記の理由により、1年間の補助事業期間延長が認められたことから、2023年度は2022年度未使用額を執行するかたちでインドにおける現地調査を積極的に実施し、当初の目的をどこまで達成できるのかを客観的に見極めつつ、計画の変更等についても考慮し、柔軟に対応してゆくことにしたい。その際には、当科学研究費助成事業の成果を次の研究課題に発展的に継承するという観点を重視する。 研究成果発表としては、国内外の会議・学会における口頭発表、さらに欧文・邦文の学術論文の発表というかたちで積極的に行う。また「比較考古学研究会」も例会をもつかたちで継続する。
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Report
(4 results)
Research Products
(56 results)