南米コロンビアの都市避難先住民から見る「多文化主義」をめぐる人類学的研究
Project/Area Number |
19K13472
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 04030:Cultural anthropology and folklore-related
|
Research Institution | Kanagawa University (2021-2022) Waseda University (2019-2020) |
Principal Investigator |
近藤 宏 神奈川大学, 人間科学部, 准教授 (20706668)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2019: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
|
Keywords | 国内避難民 / 先住民 / コロンビア / 多文化主義 / エンベラ / 国内避難 / ポストコンフリクト / 南米 / 避難 |
Outline of Research at the Start |
本研究計画では、コロンビア共和国で内戦の影響によって都市部に避難民として暮らす先住民エンベラで、彼らが直面する社会状況を通して、先住民の生を特定の領域と結びつける社会制度化された多文化主義について考察する。半世紀近く続いてきたコロンビアの内戦では、非合法武装勢力支配が長らく続いた地域と、首都圏などで被害状況に偏りがあり、先住民の諸集団は、「強制的避難移住 を含め、多様な被害にあってきた。集落を一度は離れ都市部に移住した先住民も、そこで直面するさまざまな困難ゆえに、さらに別の場所への移動を模索している。彼らが思い描く、過去・現在・未来の期待について考える。
|
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、これまでに行った現地調査と文献調査の暫定的な成果をまとめる作業を進めた。具体的には、以下の二つの作業である。ひとつは、コロンビアにおいて国内避難民(IDP)がいかに可視化されてきたのか、という問いについて、IDPの諸権利をめぐる法整備が進んだ1990年代以降からの法制度変遷と、社会における可視性の変化を考察することである。コロンビアにおけるIDPに関連する人類学的研究のほか、コロンビアの都市空間を対象にした民族誌などを分析対象とした文献研究の成果である。この内容については、日本ラテンアメリカ学会で報告を行なったあと、共同研究グループの成果報告の一環として論文の形式にまとめている。もうひとつは、IDPとなった先住民たちのもつ地理学的想像力に関する民族誌的記述である。これは、コロナ禍以前までに行なってきた現地調査のまとめである。こちらも、別の共同研究グループの成果報告の一環として論文の形式にまとめている。そのほか三月に現地調査を行ない、IDPの人びとが避難先で文化的連続性が(それと意識せずに)築いているやり方に、植物利用があることが明らかになった。IDPの人びとは、人的ネットワーク、あるいは市場に流通するものから、移住前の暮らしにおいても利用していた植物の種を都市部にある家屋の脇に植え、部分的に、かつての暮らしで築いていた菜園のような空間をつくっていた。種のポータビリティーを活用した空間形成のあり方と工夫について、23年度に追加の現地調査を行ないたい。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、コロナ禍のあいだに進めていた文献調査について、発表や文章の形式でまとめることができたことに加え、コロナ禍以降に行なえなかった現地調査を進めることができたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍によって現地調査が進められなかったため、研究期間を一年延長している。この延長期間には、追加の現地調査を行なう。これまでに行なった調査成果のまとめのほか、今年度に行なう調査結果を研究成果としてまとめるために関連する先行研究のまとめを調査前に進め、研究成果の公表までの期間を短くできるような工夫をする。今年度の調査成果を含む研究成果のまとめは次年度になることが予測される。
|
Report
(4 results)
Research Products
(4 results)