教育における国家の中立性原理の政治哲学的基礎付けと憲法法理化に関する研究
Project/Area Number |
19K13490
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 05020:Public law-related
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
中川 律 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (60536928)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2020: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2019: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 教育における国家の中立性 / 親の教育の自由 / 教師の教育の自由 / 国家の中立性 / 市民教育 / 個人の尊厳 / 学習権 / 新自由主義 / リベラルな国家の中立性 / 戦後教育改革法制 / 憲法学 / 教育法学 / 教育の自由 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、日本国憲法の解釈論として教育に関する国家の権限の限界を見極める憲法法理を確立することにある。この目的達成のため、本研究では、第一に、教育における国家の中立性原理はどのように政治哲学的に基礎付けられ、いかなる内容の規範を含む原理と理解されるべきなのかについて探求し、第二に、そうした内容の原理は日本国憲法の下で憲法法理としてどのように具体化されるべきなのかについて、日米の憲法史・教育史を参照して明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、一つ目に、教育における国家の中立性の原理が政治哲学的に基礎付けられうるものなのか、基礎付けられうるとしたら、いかなる内容のものであると理解すべきなのか、二つ目に、中立性の原理の規範内容を十全に保障するためには、日本国憲法の解釈を通じてどのような憲法法理として具体化されるべきなのかを明らかにすることを目的にしたものである。 これらのうち、2022年度には、特に、二つ目について集中的に取り組み、これまでの本研究課題の遂行を通じて得られた成果を整理し、単行著書にまとめることができた。これまでの研究によって、教育における国家の中立性の原理が、日本国憲法の基礎にある想定される政治哲学によって基礎付けられうるものかと考えるのどうかという立場の違いによって、日本国憲法の解釈論に一定の影響を与えうるということを明らかにした。 これを踏まえて、当該著書においては、大日本帝国憲法下から日本国憲法・戦後教育改革期を経て、今日に至るまでの日本の教育法制の歴史的変遷をたどり、国家の中立性の原理は、日本国憲法の解釈論としては、特に親の教育の自由と教師の教育の自由の基礎付けのあり方やその保障の程度に影響を与えうることを示した。日本国憲法の下における公教育において、道徳教育や市民教育がどのような根拠においてどのような法的枠組みの中で実施されるべきなのかという問題についても、国家の中立性の原理が一定の含意を有することも示した。 さらに、一つ目についても、英米の現代政治哲学の文献を参照しながら、国家の中立性原理の政治哲学的基礎付に関わるものとして、特に、近年、社会契約説的な道徳哲学をめぐる分析の枠組みとして用いられることが多い、contractarianism とcontractualismの対比させる議論の動向について研究した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度には、本研究の上記の二つの柱のうち、特に、二つ目の国家の中立性を具体化する日本国憲法の解釈を通じた憲法法理の探究について単行著書を発表し、一定の成果をあげることができた。しかし、この二つ目の柱に係る研究成果の発表に注力したことと、これまでの本研究課題期間中にコロナウイルス感染症の蔓延の影響で全体として研究課題の遂行が遅れ気味であったこと、当初予定した一つ目の柱であるリベラルな国家の中立性に関連する政治哲学関連の資料の収集及び分析が想定以上に時間を要したことから、研究期間を1年間延長することになった。このため、やや遅れているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、一つ目に、教育における国家の中立性の原理が政治哲学的に基礎付けられうるものなのか、基礎付けられうるとしたら、いかなる内容のものであると理解すべきなのか、二つ目に、中立性の原理の規範内容を十全に保障するためには、日本国憲法の解釈を通じてどのような憲法法理として具体化されるべきなのかを明らかにすることを目的にしたものである。 これらのうち、研究計画を立てた当初は一つ目の点を優先的に進めることを計画していたが、初年度である2019年度の研究遂行の過程で、二つ目の点に関しても並行的に研究を進めることが有効であると判明したため、2021年度、2022年度については、同時並行的に研究を推進した。今後も基本的には同時並行的に研究を進めるが、2022年度には二つ目の柱について一定の成果を発表することができたので、2023年度には一つ目の柱に注力する予定である。
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Report
(4 results)
Research Products
(11 results)
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[Book] 教育法2023
Author(s)
中川律
Total Pages
264
Publisher
三省堂
ISBN
9784385323091
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