自治体の「協働」的国政参加による絶対的手続権保障の正当化可能性
Project/Area Number |
19K13494
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 05020:Public law-related
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
中嶋 直木 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(法), 准教授 (20733992)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2021: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2020: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
|
Keywords | 地域 / 公私協働 / 連携・ネットワーク論 / 狭域自治 / 権限型紛争 / 民主的正統化 / 公衆による統制 / 社会科学における正統化 / 是正の指示 / 機関訴訟 / 連携中枢都市圏 / 安全規制 / 目的プログラム / 狭義の法律実施条例 / 権利防御的参加 / 民主主義的参加 / 絶対的手続権保障 / 絶対的手続権 / 国政参加 / 自治権 / 防御と協働 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、処分の名宛人ではない第三者としての自治体に、国政参加(規定)それ自体を根拠として原告適格が認められるのではないか(=絶対的手続権保障の訴訟法的側面)という問題を、「協働」的国政参加という観点から再検討するものである。具体的には、絶対的手続権保障の議論に蓄積のあるドイツの判例・学説を「協働」的国政参加の観点から見直すことで、そのような観点が一部の領域に限られず、広く認められるのではないか、広く認められるとして、その範囲はどこまでか、を明らかにしようとするものである。
|
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、協働的参加について、我が国における「地域」(条例に規定されている「地域」自治的団体)を素材として、整理検討した。近時、「地域」の協働的参加が注目を集めており、自治体の協働的参加論と比較検討する素材として有益であると考えた。 具体的には、「地域」を客体・客体主体中間体・主体として区分し、それぞれについての法的位置づけや機能を整理しつつ、既存の行政法理論から解明をおこなった(例えば、自治体等による「認証」といった「地域」に特徴的な仕組みを検討した)。この成果は、熊本大学法学部付属「地域の法と公共政策教育センター」における「第3回実践社会科学研究会(2023年4月10日開催)」で報告がなされ、2023年度に論文にて成果が公表される予定である。 今後の課題としては、規制・政策客体からはじまり、参加論から、公私協働論、連携・ネットワーク論を経て狭域自治主体論にいたる中で、「地域」が有するこれらの側面を一つ一つ精緻に分析する一方で、様々な側面に通底する一貫した「地域」概念の構築可能性を探ることである。 以上のような「地域」の協働的参加の研究によって、2021年度に検討した個人の協働的参加とともに、自治体の協働的参加論の位置づけを明らかにする比較材料が豊富となった。 派生的な研究成果としては、中嶋直木「地方議会議員の懲罰と司法審査」斎藤誠=山本隆司編『行政判例百選Ⅱ〔第8版〕』(有斐閣、2022年)292-293頁があげられる。直接、自治体の参加や出訴に係わる事案ではないが、この判決では、「権限」的側面を有する地方議会の議員活動が「権利」として把握されており、このことは、同じく「権限」的側面を有する自治体の「自治権」やそれに基づく「参加権」の基礎理論的解明に、有益な示唆を提供する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度においても、COVID-19の感染状況が安定しなかったため、移動制限や資料収集・意見交換の困難により、十分な資料・知見を収集することができなかった。 そのため、2022年度に至っても、本研究の最終的な論文の完成に至っていない。
|
Strategy for Future Research Activity |
2021年度に予定していた、各論的研究と基礎理論的研究の統合から、後者に重点を置いた研究へとシフトする。具体的には、引き続き、自治体の協働的参加の基礎理論を探る一方で、自治体以外の協働的参加にも目を向け、比較することで、自治体の協働的参加との差異を明らかにする。これにより、自治体の協働的参加の特徴や固有の意義を一層明確化することを試みる。
|
Report
(4 results)
Research Products
(7 results)