Project/Area Number |
19K13499
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 05020:Public law-related
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Research Institution | Komazawa University |
Principal Investigator |
高田 実宗 駒澤大学, 法学部, 准教授 (50805794)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2020: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2019: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 計画行政法 / 道路交通法 / 道路法 / 環境法 / 都市法 |
Outline of Research at the Start |
交通政策を支える法的枠組みについて、わが国の行政法が手本としたドイツ法との比較法研究を行う。次世代が求める交通システムには、円滑な移動、交通安全、環境保護、まちづくり、こうした複合的な要請が反映されなければならず、それを支える法領域は多岐にわたる。そこで、こうした各法領域を横断的に分析対象とし、それら諸権限の調整を図り、かつ、政策全体の正当性が担保できる計画法理論の構築を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、次世代が求める交通システムについて、計画法の観点から、それを支える統合的な法的基盤の構築を試みることであった。すなわち、現代社会が求める交通政策には、さまざまな要請が反映されるため、それを支える法領域が多岐にわたっており、かつ、それら各法領域は独自の法理論を発展させてきた。そして、そのような諸法令に基づく権限は、複数の主体に分担されている。そうした複雑な利害状況の下にある交通政策について、どのように、各法領域および諸権限の調整を横断的に図っていくのか、そして、その全体的な合理性を如何に担保するのか、このような学術的な問題意識を出発点として、わが国の行政法が手本としたドイツ法との比較法研究を行っているところである。 2022年度においては、上記の研究目的を踏まえ、2021年度に引き続き、いわゆる電動キックボードのような新たなモビリティの出現を踏まえ、その普及が我が国よりも先行したドイツの法的議論に着目する研究を行った。そして、フリーフロート型のシェアリングサービスに伴う路上駐車を素材に、公道空間の利用を如何に考えるか、という公物法理論の再構成に迫る根源的な問いに対する分析を試みた。加えて、わが国の交通法制が抱える課題にも目配りし、人口減少を見据えた交通基盤の保障という観点から、その交通法制の全体像を分析した。いかに交通利用者の利益を保護するかという権利論のみならず、その前提となる交通基盤を持続させるための財源論にも触れ、国法学的方法に依拠した研究を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画によれば、2021年度が本研究の最終年度の予定であったが、新型コロナウイルス感染症に伴う渡独の断念を主たる理由として、その研究期間の延長が図られた。かつ、2022年度は、勤務校において、在外研究の機会に恵まれたため、ドイツ連邦共和国のボン大学法学部に客員研究員として在籍しながら、本研究を深めていくこととなった。そして、現地においてドイツ語文献を渉猟する傍ら、研究会等への積極的な参加を通じ、ドイツ人の研究者および実務家との人的ネットワークを構築し、ヨリ精度の高い情報を収集することが企てられていた。 在外研究中のドイツでは、とりわけ、現地で注目を集めている交通改革(Verkehrswende)に関する法的問題など、研究材料となる最新情勢の把握を努めるとともに、路上駐車をめぐる公物法上の議論、さらには交通基盤の保障という問題に視座を移しつつ、交通政策を支える各法領域の射程および限界について、ドイツの判例および学説を丹念に紐解きながら、わが国の交通法制と整合させつつ、その体系的な整理を図ってきた。こうした研究の進捗は、一部に論文執筆の停滞があったにせよ、下記の通り、研究会での報告や論文の公表、さらには欧州における実地調査および学会参加が実現しており、おおむね順調であると評価することができよう。 まず、路上駐車をめぐる公物法上の議論について、2022年7月6日、国際交通安全学会の個別研究報告会で「路上駐車の法的可能性」と題する報告を行い、参加者の先生方から貴重な御指導を賜ることができた。そして、交通基盤の保障については、その成果である小論が学術雑誌『法律時報』(94巻10号)において公刊された。加えて、ドイツにおいて、道路法制に関するワークショップや交通法大会、さらにはドイツ国法学者大会への参加を通じ、ドイツ人の研究者や実務家との意見交換を図ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画では、2021年度が本研究の最終年度の予定であったが、先に触れた新型コロナウイルス感染症に伴う渡独の断念およびドイツでの在外研究を主たる理由として、その研究期間の延長および再延長を図ったところである。2023年度は、2022年度に引き続き、勤務校において、在外研究の機会に恵まれたため、ドイツ連邦共和国のボン大学法学部に客員研究員として在籍しながら、本研究を深めていくこととなる。 2023年度はドイツに滞在するため、2022年度に引き続き、ドイツ語文献の渉猟に励むとともに、ドイツ人の研究者および実務家との人的ネットワークの更なる構築に努めたい。とりわけ、受入教授が主催する道路法制に関するワークショップには2023年度も招待されているため、現地における最新の声を肌で感じる機会に恵まれよう。 2023年度においては、2021年度および2022年度に執筆できなかったテーマとして、交通計画における自治体の役割という話題があるので、まずは、これを素材とした論考の執筆に励む予定である。加えて、路上駐車の法的可能性に関する論文も、執筆が停滞しているため、その脱稿を図りたい。そして、2023年度は、本研究の最終年度となる予定であるため、研究成果について、帰国後の公刊に向けた用意を続けつつ、その計画法理論への纏めを図っていく所存である。
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Report
(4 results)
Research Products
(12 results)