居住継続支援の法的基盤の検討-災害救助法制と社会保障の接合を目指して
Project/Area Number |
19K13533
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 05040:Social law-related
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Research Institution | Ryukoku University (2021-2022) Bukkyo University (2019-2020) |
Principal Investigator |
嶋田 佳広 龍谷大学, 法学部, 教授 (40405634)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 生活保障 / 公的扶助 / 住宅保障 / 生活保護 / 災害 / 住宅 / 居住継続支援 |
Outline of Research at the Start |
我が国には「住宅(保障)法」という学問枠組みは存在しない。一方で、住宅・居住に関わる社会的状況は大きく変動している(空き家の増加、大規模災害による罹災など)。住宅自己責任原則を貫き続けることが今後の日本で果たして可能なのか、現在の法制度の問題点はどこにあるのか、といった理論的課題について、「居住継続支援」をキーワードに、ドイツなど海外の法制度や取り組みも視野に入れつつ、社会保障制度と災害救助法制を横断した視点から検討するのが本研究である。
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Outline of Annual Research Achievements |
当初の予定にはなかったことが積み重なったことから、ひとまず研究機関を一年延長して臨んだ。所属学会での報告準備など、見た目には迂遠なテーマともかかずらったが、結果として、生活保障法制度の普遍性について認識を新たにすることができ、コロナも含む災害的状況における支援(なかでも金銭給付による所得保障)の実効性に関しては、将来的な在り方も一定程度展望することができた。なかでも近年大きな注目を集めているベーシックインカムについて、その法的評価は緒に就いたところではあるものの、プッシュ型支援の一つのかたちとしては有用性を肯定できる可能性もあり、現行モデルへの対抗軸として日本における在り方を考えることができた(プル型、申請型の一種の限界があらわになっていることとの関係が重要である)。災害法制との接続についてはまだボヤッとした関係整理しかできていないが、困っている人へのアプローチという支援の総論の枠組みでは理論的に得たものが少なくない。居住保障の総論的検討も、まだ一部は整理の段階にとどまっているところもあるが、状況の俯瞰はできてきている。日本の生活保護についても、裁判例の積み重ねによってその法的課題が見えてきたところもあり、その点について考慮をある程度深めることができた。新年度に向けては、全体状況が落ち着いていたことに鑑みて、研究開始時点とはいろいろ変わってはきているものの、実地調査などの可能性を探ることとしたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
開始時点の柱にしていた項目が環境上の問題もあってなかなか進まず、方向を転換したうえで可能な形での文献研究を引き続きおこなっている。ただし進捗状況の評価としては当初の予定通りとはなっていない。23年度中にはおかれている状況の変化が一定程度見通せるところもあり、それにあわせるかたちで追い込みを図る。
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Strategy for Future Research Activity |
困難が続いたものの、国内(日本法)の状況整理はある程度まで進み、あわせて、ドイツ調査の可能性も見えてきた。災害ともいえる状況が間延びしているのは日独とも同じでであるが、ドイツは最低生活保障制度を果敢に変化させており、そうした動向の変容を追いかけることを中心に、当初の課題意識を発展させていくつもりである。
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Report
(4 results)
Research Products
(7 results)