農業者の組織維持メカニズム:1970~1990年代の農業協同組合と国際比較から
Project/Area Number |
19K13587
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 06010:Politics-related
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Research Institution | University of the Ryukyus (2023) Hokkaido University (2022) The University of Tokyo (2019-2021) |
Principal Investigator |
川口 航史 琉球大学, 人文社会学部, 准教授 (20823404)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 日本政治 / 比較政治 / 利益団体 / 農業政策 |
Outline of Research at the Start |
日本の農業者の政治的影響力は他国と比較しても大きく、豊かな農業保護を享受している。しかし影響力行使の基盤となる農業者の組織力については、既存研究では所与のものと考えることが多く、研究は多くない。本研究は主に1970~90年代に焦点を当て、日本の農業協同組合がどのように多様な農業者をまとめ上げ、非農業者に対して農業保護を正当化したのかを分析し、さらにアメリカ合衆国の農業団体の活動戦略と比較する。その結果、農業者の強固な組織維持を可能にしたメカニズムや、相対的に経済力に乏しい人々の団体がどのようにして自らに有利な制度を獲得していくのか、そして他国と日本の農業団体の共通性や、位置づけが明らかになる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、産業としての困難が続くような時期に、農業者団体がどのようにして自らの組織を維持するのか、そのメカニズムを明らかにする。専業農家が減少するとともに兼業農家が増加し、全体としての農業人口が減少し、第一次産業の国内総生産に占める割合が小さくなり、日本農業の構造が大きく変化していった時期に焦点を当て、農業者団体がどのように多様な農業者をまとめ上げ、非農業者に対して農業保護を正当化したのかを分析し、さらにアメリカ合衆国の農業者団体の活動戦略と比較する。その結果、既存研究が前提としてきた農業者の強固な組織維持を可能にしたメカニズムや、相対的に経済力に乏しい人々の団体がどのようにして自らに有利な制度を獲得していくのか、そして他国の農業団体と日本の農業者団体との共通性や、比較における位置づけが明らかにすることを目的としている。 以上の研究目的の下、2023年度も日本の国内事例に分析を集中し、農業者団体がどのようにして多様な農業者をまとめたか、分析を継続した。日本以外の事例についても、先行研究を分析し、二次資料を中心とした分析を試みた。さらに、現代日本の農業問題を考える上で、本研究が持つ含意をより直接的な形で示すために、現代日本における政策争点としての農業のあり方の特徴についても考察し、本研究の対象とする時代との共通点や差異などを明らかにし、国外の学会で報告し、得られたフィードバックを基に研究を深化させた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまで、1970年代の米価決定過程について分析を行い、研究の一部について国際学会における報告の形で文書化してまとめるなどしてきた。2023年度は、こうした試みを継続し、さらに研究の現代的意義を明らかにするなど、研究の外縁をさらに広げる作業をしている。また、計画時に予期していなかった移動や資料利用の制限に対応するため、国内の事例に関する分析を行っている。他方、国外事例の分析は、社会状況などの影響により進捗がやや遅れているが、2023年度は遅れを取り戻すべく作業を進めた。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、農業者団体と非農業者の関係を分析し、さらに日本の事例を世界の国々の中に位置付けることを目指す。日本の事例の分析に加え、アメリカ合衆国における農業者・牧場主団体の活動との比較を行い、非農業者との関係性や、組織維持戦略、組織拡大戦略などの点に着目し、日本の農業者団体の特徴を明らかにすることを目標とする。調査を行い、研究を深化させることを目指す。
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Report
(5 results)
Research Products
(10 results)
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[Book] 戦後日本の学知と想像力2022
Author(s)
前田 亮介(編著)・川口航史ほか(執筆)
Total Pages
438
Publisher
吉田書店
ISBN
9784910590035
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