Project/Area Number |
19K13595
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 06010:Politics-related
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
白谷 望 愛知県立大学, 外国語学部, 准教授 (40780119)
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Project Period (FY) |
2019-02-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | モロッコ / 君主制 / 権威主義体制 / 選挙 / 議会 / 政党 |
Outline of Research at the Start |
国民が民主主義的な手続きによって自らの国家元首を選ぶのが常道となっている21世紀の今日、アラブ地域では権威主義的な世襲君主制が他地域以上に多く現存し、またそれらが共和制以上に政治的安定を維持して、注目を集めている。これまでの研究を踏まえ、アラブ君主制諸国の中でも湾岸産油国のように「原油レント」(天然資源収入等の不労所得)で国民からの「忠誠を買う」ことの出来ないモロッコでは、湾岸産油国とは異なり、議会や選挙制度が発展していることに注目した。本研究では、モロッコの君主制が安定を維持するメカニズムを、議会と選挙制度から解明することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、本研究課題に関連する複数の論文(書籍内論文含む)が出版された他、その最終成果として、権威主義的君主制下における選挙の機能をモロッコの王党派政党の役割に注目して分析し、その結果を日本中東学会年次大会で発表した。また発表内容を修正し発展させ、論文としてまとめる作業に注力した。 モロッコでは、1990年代から政治的自由化が進められ、その後は定期的に選挙が実施されるようになった。ここで注目すべき点は、(1)選挙結果に基づき定期的に政権交代が起こっている点、そして(2)国王と近い関係にある王党派の政党が、ほとんどの選挙で勝利していない点である。独立後のモロッコにおける選挙結果および政党組織の離合集散過程を詳細に分析すると、王党派政党が、いかなる政党も大規模な動員力をもたない(複数の政党が連立を組まざるを得ない)「分極的な政治領域」の再生産に重要な役割を果たしていることが明らかとなった。 また、モロッコの事例に注目したこれらの分析結果の汎用性を確認するため、他のアラブ君主制諸国の議会・選挙制度に関する資料収集を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度は、本研究課題に関連する複数の論文(書籍内論文含む)が出版された他、その最終成果を国内学会で発表することが出来た。その内容を論文としてまとめ、学術雑誌に投稿することが課題として残されているものの、本研究課題をさらに発展させるために必要な資料の収集を行うなど、おおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の最終年度となる2024年度は、2023年度に日本中東学会年次大会で発表したモロッコの王党派政党に関する研究成果を修正・発展させる形で国際学会で発表し、その内容を論文として学術雑誌に投稿する。 また、本研究課題において残された課題を整理して2025年度以降の研究課題の構想をまとめ、早い段階でその計画を練り上げることを目指す。
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