社会選好とコミュニティのガバナンス形成に関する実験・行動経済学研究
Project/Area Number |
19K13676
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 07040:Economic policy-related
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Research Institution | Hitotsubashi University (2021-2022) The University of Tokyo (2019-2020) |
Principal Investigator |
芦田 登代 一橋大学, 社会科学高等研究院, 特任助教 (80724898)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2019: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | 利他性 / 独裁者ゲーム / 最後通牒ゲーム / 高齢者 / 自然災害 / 経済実験 / 公平性 / 社会的選好 / 心理的貧困の罠 / メンタルヘルス / 災害復興 / 被災地 / フィールド実験 / 地域コミュニティ |
Outline of Research at the Start |
日本は、世界有数の災害大国と呼ばれ、不自由な避難所生活を余儀なくされる人が多数存在している。被災地では、適正な資源の配分が通常以上に重要であるものの、未だに課題が多いと指摘されている。 公平な資源の配分は、コミュニティの助け合いの促進に関わる大きな要因になり、復興政策の推進に寄与する可能性があるにもかかわらず、向社会性と利他性との関連を緻密に観察した研究はほとんどない。 そこで、本研究では、震災被災者を対象とした公平性・互恵性を考えるフィールド実験を設計・実施することによって、より公平な資源配分を検討するためのエビデンスの蓄積を目指した研究を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
コロナ蔓延による感染リスクを鑑みて、2021年度に引き続き2022年度もフィールド実験の実施を見合わせていたが、2023年度にフィールド実験を実施する見込みがたった。そのため、日本老年学的評価研究(JAGES)の協力を得て、2022年11月から2023年1月にかけて郵送で実験参加希望者を募った。また、実施に向けて研究倫理審査の申請、調査項目案の作成、自治体等に研究協力を依頼するなどの研究体制の構築を図った。 実証研究の実績としては、コミュニティづくり等に関わる複数の論文執筆を進めた。そのうちの1つである次の論文が国際誌にアクセプトされた。"Heterogenous effects of the Great East Japan earthquake on prosociality of people depending on their age." Scientific Reports 13.1 (2023): 3211. この論文は、東日本大震災被災地の2つの地域(宮城県岩沼市・福島県双葉町)のマイクロデータを用いて、災害暴露が地域住民の利他性にどのような影響を与えたのかを世代別に検証した論文である。高齢者では、災害被害によって向社会的行動が下がっていたが、若年層では向社会的行動が上昇する可能性が示唆された。他に、被災によってうつが発症するメカニズムの一つに、現在バイアス(物事を先延ばしにする心理学的特性)が関連している可能性が示唆された研究、災害保険は生活再建に一定の役割を果たすものだが、人々のWell-beingにはどのように関わっているのかという研究等も実施しており、引き続いてモデルの精緻化や考察を深めている。後者については、2023年度に学会報告を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年度に実施する予定であったフィールド経済実験がコロナ蔓延のため、2021年度に引き続いて2022年度も実施を見合わせたため、進捗が遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究実施計画に予定していた経済実験を2023年7月に行う予定で研究を推進している。経済実験は1回あたり20名を予定しているが、実施会場は収容人数が最も多い大会議室(収容人数約80名)を予約し、感染対策に備えた。他にも、換気対策など、実施会場を利用する際の注意事項を遵守して行う。2023年5月には新型コロナウイルス感染症の感染症法上の分類が5類に移行するが、実験参加者は高齢者であり、もしも感染すれば重症化リスクが高い。実施時期の情勢に留意し、実施時期の延期・中止も加味しつつ、慎重に準備を進めていく。
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Report
(4 results)
Research Products
(12 results)