労働時間の適正化へ向けた人事労務管理の柔軟化に関する研究
Project/Area Number |
19K13794
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 07080:Business administration-related
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
渡部 あさみ 岩手大学, 人文社会科学部, 准教授 (10723033)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 労働時間 / 人的資源管理 / 労働組合 / オーストラリア / ニュージーランド / 長時間労働 / ワーク・ライフ・バランス / 労働時間管理 / 人事労務管理 / 労使関係 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、労働時間の適正化へ向けた人事労務管理の柔軟化について考察することを目的としている。労働時間の適正化に着目する理由は、1990年代以降深刻化しているホワイトカラー労働者の長時間労働問題を解決し、ワーク・ライフ・バランス(以下、WLB)が確立した社会を展望する上で重要だからである。よって本研究は、日本よりも労働時間が短く、まとまった休暇を取ることが可能なオーストラリアおよびニュージーランドと、長時間労働問題を抱える日本を対象とし、労働時間と人事労務管理の柔軟化の関係性、および労働者のWLB満足度に関する量的・質的調査を通じた比較研究を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、2020年1月に収集した日本・オーストラリア・ニュージーランドでフルタイムで働くホワイトカラー労働者を対象とした第一回アンケート調査のデータ分析を行った。ここから明らかになったことは、①労働時間制度 ・残業の頻度・残業時間に関し、オーストラリアとニュージーランドでは、日本と同様に、「通常の労働時間制度」が多数を占めている一方で、「コアタイムがあるフレックスタイム制」の適用者が日本より高い割合で存在していること、②残業の頻度に関し、日常的な残業をしている傾向は日本において強く見られること、③職場の労働力充足率を実感している労働者は、日本では4割を切っているが、オーストラリア・ニュージーランドでは7割前後であり、日本よりも労働力が充足していると感じている労働者が多い。また、仕事量に関し、所定労働時間内に終わる仕事量であると認識している労働者は、日本では3割を切っていたが、オーストラリア・ニュージーランドでは6割を超えており、日本の職場における仕事管理の適正化という課題を再認識する結果が得られたこと、④ワーク・ライフ・バランスに満足しているという回答は、日本では35%ほどであったが、オーストラリアでは75%、ニュージーランドでは60%であり、三ヶ国のうち、日本のワーク・ライフ・バランス満足度が低いことの四点である。以上の第一回アンケート調査結果を受け、今後、さらに分析を深めていくために、労使関係の視野を加えた分析の必要性を見出した。 また、次年度に実施予定である第二回目調査へ向けた課題の整理を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
産休直前に入手したアンケート調査結果のデータ分析への着手が遅れたためである。2022年度は、第二回目のアンケート調査を実施する予定だったが、まずは、第一回目のデータの分析を行い、次の調査に向けた準備期間に変更した。
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Strategy for Future Research Activity |
第一回のアンケート調査から見えてきた分析課題に沿って、文献・データ収集を継続する。また、2023年度に第二回のアンケート調査が実施できるよう、調査項目の設計に取り組む。
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Report
(4 results)
Research Products
(15 results)