Project/Area Number |
19K13886
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 08010:Sociology-related
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Research Institution | Okinawa Prefectural College of Nursing |
Principal Investigator |
山口 賢一 沖縄県立看護大学, 看護学部, 准教授 (10811292)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2020: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2019: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 近代医療 / 植民統治 / 沖縄 / 台湾 / フーコー / ガバナンス / アガンベン / 例外状態 |
Outline of Research at the Start |
19世紀末、沖縄と台湾は明治政府による琉球処分と台湾併合という形で近代日本の統治下に取り込まれ、現在では異なる統治組織に属している。本研究では、医療施設の機能に焦点を当てながら両地域の植民統治について比較的に考察する。平時の統治についてはFoucaultの近代制度、そして植民当初の沖縄と台湾の併合プロセスについてはAgambenの「例外状態」「ホモ・サケル」という分析的枠組みを参照する。Foucaultの提唱するように近代施設を中心とした規範的・規律的な社会が作られていったのか、そうであれば医療施設が何らかの役割を担っていたのか、主に公文書や証言に含まれる当時の言説を辿りながら考察する
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Outline of Annual Research Achievements |
コロナ禍により出遅れていた台湾でのデータ収集作業も軌道に乗り、2024年1月25日から2月2日にかけて、中央研究院近代史研究所档案館、台湾国立大学図書館、台北市立図書館において、阿片と衛生に関する文書と書籍、新聞記事を中心にデータ収集を行った。 研究発表に関しては、2023年10月、第96回日本社会学会大会において「Controlling Opium Habits with Provisional Measures: in the Case of Japanese Colonial Governance of Taiwan」と題した発表を行い、台湾総督府による近代機関を利用したコロニアル・ガバナンスの一端として、阿片のコントロールについて紹介した。 沖縄のコロニアル・ガバナンスに関しては、すでに収集したデータを元に学会発表の準備を進めてきた。2024年7月にインドネシアで開催される国際学会「International Convention of Asia Scholars 13 (ICAS13)」に発表のエントリーをし、アクセプトされている。演題は「Making of Healthy Docile Bodies: Roles of Modern Japanese Institutions Promoting Public Health Knowledge before the Pacific War in Okinawa」となっている。 また、2023年7月、研究者が所属する沖縄県立看護大学のオープンキャンパスにおいて、「看護職者に求められるリーダーシップとは-眞玉橋ノブ氏から学ぶ柔軟さと社会資本の重要性-」と題したミニ講義を行ったが、これは本科研調査の過程で得られた沖縄の医療史に関するデータを利用したものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍のために研究のスケジュールが全体的に遅延したが、2023年度中にまとまった期間台湾でのデータ収集を行うことができた。阿片に関するデータに加えて、衛生に関する有用なデータが得られ、今後の研究の発展に繋がりそうである。台湾総督府による植民に関するデータとしては、中央研究院近代史研究所档案館の司書にご提案いただいた台中の國史館台灣文獻館が所蔵するデータの確認ができていないのが心残りである。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度はデータ分析とアウトプット(発表)に注力する予定である。既にアクセプトされたICAS13では日本政府による沖縄統治と近代機関、衛生について学会発表をすることになるが、台湾総督府による台湾統治についても、2023年度中に得られたデータを用いた学会発表に繋げたい。また、本研究で得られた成果を、所属大学の授業や課外講義などにも反映させる予定である。 データ分析とアウトプットに注力しながら、スケジュールと予算が許すのであれば、台湾の戦前の衛生に関するデータ収集を継続し、台中の國史館台灣文獻館が所蔵する文書の確認も行いたい。
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