Project/Area Number |
19K13896
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 08010:Sociology-related
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Research Institution | Osaka University of Economics |
Principal Investigator |
苫米地 なつ帆 大阪経済大学, 情報社会学部, 准教授 (90782269)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2021: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | きょうだい / 職業達成 / 出生順位 / 社会階層 / 親子関係 / 家族 / きょうだい構成 / ジェンダー |
Outline of Research at the Start |
本研究は、きょうだいの中で何番目に生まれたかということと、個人の職業の間になぜ関連が生じるのか、そのメカニズムを実証的に解明することを目指すものである。具体的には、家族内での経済的・情緒的なサポートの配分状況や、家族内での役割意識・役割期待が出生順位によって異なっているかどうか、それらが職業にも影響を与えているかどうかを検証する。検証のために新たに質問紙調査を実施する必要があり、研究期間の1年目に予備調査、2年目に本調査を実施してデータを収集する。それらを統計的に分析し、生まれた順番と職業の間の関連メカニズムを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、きょうだいの中で何番目に生まれたか(=出生順位)によって個人の職業達成に違いがみられるのはなぜなのか、そのメカニズムを社会調査データの計量分析から明らかにすることである。具体的には、家族内での経済的および非経済的な資源の配分状況や、家族内での役割意識・役割期待が出生順位により異なっているかどうか、それらが職業選択に影響を与えているかどうかを検証する。この検証をとおして、個人が選択することのできない生得的な属性に起因する不平等の実態を明らかにするとともに、社会階層や家族を対象とする実証的研究のさらなる発展に寄与することができると考える。 2023年度は予備調査データの分析や関連する調査データの分析、本調査の調査票の再設計をおこなった。分析の結果、教育達成や職業達成と出生順位の間の関連が改めて確認された。また、出生順位によって子どもが得る資源の量(母親のかかわりや教育投資など)に違いがみられ、出生順位が遅いほど得られる資源が少ないことも再確認された。さらに、初職が専門職であることに対して、きょうだい数が正の効果をもつという分析結果も得られた。これまで教育達成については、きょうだい数が多いと教育達成が低くなるという負の関連がみられ、きょうだい数が増えると一人あたりの獲得資源量が低下することがその背景要因として指摘されてきた。職業達成においては教育とは異なるメカニズムできょうだい構成が影響しうることが示されたため、今後は現在分析しているデータはもちろん、本調査のデータ分析を慎重におこなって検証をすすめていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本調査実施の準備を進めたが、年度内に調査の実施に至らなかったため。本研究ではきょうだい構成と職業について尋ねる調査を実施するが、回答者に回答者自身のきょうだいのことを尋ねてデータを収集するにあたってより精度の高いデータを得るにはどうすればよいかを改めて考えるのに多くの時間を要した。また、職業のことを尋ねるうえで調査実施の時期にも注意を払う必要があり、次年度の初めに調査を実施するのがより適切であると判断した。以上のことより、遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はまず本調査を実施し、得られたデータをもとにした学会報告、論文執筆を計画通りに進められるように尽力する。調査の実施タイミング自体が遅れているため、データが使用できるようになったらすぐに分析にうつれるよう、事前にプログラムなどを準備しておいたり、論文の骨子を固めておく。
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