ジェンダーをめぐる政治と「新しい保守運動」の台頭:フランスの同性婚反対運動を例に
Project/Area Number |
19K13918
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 08010:Sociology-related
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Research Institution | Senshu University (2020-2021) Sophia University (2019) |
Principal Investigator |
村上 彩佳 専修大学, 人間科学部, 講師 (10830656)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2021: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 同性婚 / バックラッシュ / フランス / 生殖補助医療 / ジェンダー / 保守運動 / ジェンダーバックラッシュ / 同成婚 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、近年のジェンダーをめぐる政治的対立の場面で見られる、祝祭的な運動戦略を用い、大衆性と政治との接続性を両立させた、「新しい保守運動」というべき巧妙化したジェンダーバックラッシュを可能にしているメカニズムを問う。そのためにフランスの同性婚反対運動団体「みんなのデモ(Manif pour tous)」と、同デモへのフェミニストの対抗運動の実証的研究を行う。 フランスの事例研究から、日本の「草の根保守運動」の将来的な発展像と、そうした発展への対抗方法について新たな視座を示すことが期待できる。 本研究は、言説・表象分析、聞き取り調査、デモの観察フィールド調査といった質的方法を用いる。
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Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、新型コロナウィルスの流行のため、フランスでのデモの観察や資料収集といった現地調査を予定通り行うことができなかった。そのため、これまでに収集したデータや、インターネットウェブサイトを通じて収集したデータの分析作業を進めた。研究経過を学会で三度報告し、今後の調査および論文の執筆に活かすことのできるフィードバックを得た。 第一に、第72回関西社会学会大会(2021年6月5日)において、「ユーモアで『覆い隠す』ことによるジェンダーバックラッシュ言説への対抗――フランスにおける性的マイノリティへのバッシングに抗う社会運動を例に」を報告した。この報告は、若手会員の一般報告のなかで優秀な報告に対して授与される、関西社会学会大会奨励賞を受けた。 第二に、日本女性学会2021年オンライン大会(2021年6月20日)において、「2010-20年代のフランスにおけるジェンダー・バックラッシュ言説――性的マイノリティバッシングにおける男女平等の語彙の用法に着目して」を報告した。 第三に、2021年度日本政治学会総会・研究大会(2021年9月26日)において、「ジェンダー・家族・結婚を争点とした草の根保守運動団体のロビイング:フランスの『みんなのデモ』に着目して」を報告した。 社会学および政治学領域の研究者から得たコメントをもとに、これらの報告を論文の研究成果としてまとめることが今後の研究課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウィルスの流行に伴い、2020年度に続き、2021年度もフランスでの現地調査を行うことができなかった。データの収集が滞っているため、研究計画は遅延している。代替案として、先行研究を整理したり、インターネットウェブで収集できるデータをもとに分析を進めた。こうした分析の途中経過は学会で3度報告することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、二つの方向で研究を進める。第一に、研究成果を論文の形でまとめる。第二に、調査対象としているジェンダー・バックラッシュの現状を知るために、フランスの現地調査を行う。現地調査では、デモの観察に加えて、国立図書館での資料収集の作業も進める。
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Report
(3 results)
Research Products
(4 results)