Project/Area Number |
19K14222
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 09040:Education on school subjects and primary/secondary education-related
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
山崎 美穂 帝京大学, 教育学部, 講師 (50824132)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 数学的価値 / 日豪比較 / 学習者 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は,日豪の数学の授業の比較を通して,学習者が抱く「数学的価値」の特徴を明らかにするとともに,「数学的価値」が授業の展開や様相にどのような影響を与えているかを明らかにすることである.研究方法は,質問紙による学習者の「数学的価値」の調査と,授業観察およびインビューによる数学授業における「数学的価値」の表出や影響を調査することである.従来の国際比較研究や価値研究に対して,本研究では,数学の授業の特徴との関連で学習者が抱く「数学的価値」を捉える際に,文化的な構成物としての「数学的価値」に着目する点に学術的独自性と創造性がある.
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は,日豪において調査した学習者のデータを分析し,学習者の抱く「数学的価値」についての考察を行った.その結果,調査で提示した問題解決場面に対する解法に関して,オーストラリアの学習者と日本の学習者では,価値付ける解法の種類に違いがみられること,および,解法を価値付ける理由において違いがみられることを明らかにした.この研究成果は,日本科学教育学会第47回年会において,口頭発表にて報告をし,研究者間での意見交換を行った. そして,特に,オーストラリアの学習者はパターンや変化に着目する解法を価値付ける点に特徴があり,日本の学習者はそれに加えてまとまりに着目する解法や統合的に捉える解法を価値付けている点に特徴がみられた.この点は,これらの学習者の価値付ける解法の違いの背景には日豪のカリキュラムの違いが影響している可能性があることを明らかにした.また,解法を価値付ける理由については,日豪の文化的影響が考えらること,および,学習者の抱く統合性や進歩性に関する「数学的価値」は限定的な側面となっていることを明らかにした.そして,実践への示唆として,平日に学習する教育内容の重要さについて,および,問題解決において答えを求めて終わりとするのではなく振り返り評価することの重要性について,指摘した.この研究成果は,Dede,Y.,Marschall,G.& Clarkson,P.(eds)『Values and Valuing in Mathematics Education』において査読付き論文としてまとめられている. また,これらの研究成果については,日豪それぞれの調査協力教員に提示し,文化的影響との関わりについての確認と意見交換を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日豪において実施した調査データを整理し,分析・考察することができた.また,それらの研究結果を日豪における調査協力教員と共有し,意見交換をすることができた.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究としては,2023年度に研究成果としてまとめた数学的価値についての内容を,数学教育学研究の中に位置づけ,研究の更なる可能性と意義を精緻化することである. 明らかにした結果については,研究論文としてまとめる.
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