Project/Area Number |
19K14354
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 10010:Social psychology-related
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
櫻井 良祐 北海道教育大学, IRセンター, 准教授 (20802961)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2019: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 意志力 / 自己制御 / 暗黙理論 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、意志力(目標を達成するために望ましくない衝動や感情を抑える能力)に対する人々の信念がどのような経験・出来事によって変化するのか、また、その意志力に対する信念(意志力の暗黙理論)が人々の社会的行動・判断に対してどのような影響を与え、どのような結果をもたらすのかについて実証的に明らかにすることを試みる。具体的には、大学生を対象とした入学から卒業までの追跡調査や、実験室実験、Web調査といった方法を用いて、意志力の暗黙理論の規定因と社会的帰結について多面的な検証をおこなう。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、意志力の暗黙理論(自己制御能力が有限であるか、あるいは、無限であるかについての人々の素朴な信念)の規定因とその社会的帰結を明らかにすることである。具体的な予測は、日常場面における自己制御発揮の認知が、意志力は有限であるという暗黙理論(有限理論)を形成していき、結果として種々の社会的帰結に影響を及ぼすというものである。令和元年度~令和3年度の研究では、学生サンプルを用いたパネル調査によって予測を支持する結果を得てきた。本年度は令和4年度に引き続き、一般サンプルを対象としたパネル調査の第2波を実施し、学生サンプルで得られた知見の頑健性と一般化可能性を検証した。2時点のデータを用いた縦断分析の結果、職場において自己制御を強く発揮したと認知する人ほど、その後に有限理論を強く支持するようになることが確認された。他方、その逆の関連(有限理論を強く支持する人ほど、その後に職場における自己制御の発揮を強く認知するようになる)は確認されなかった。さらに、有限理論への支持の強さは、その後の職場における主観的なパフォーマンスの低さやバーンアウト(燃え尽き症候群)の強さと関連することも明らかになった。上記の結果は、学生サンプルを用いた縦断分析、および、一般サンプルを用いた第1波調査における横断分析の結果と整合的であり、本研究の知見の頑健性と一般化可能性を示している点で一定の学術的意義を有すると考えられる。加えて、意志力の暗黙理論を測定する尺度(Implicit Theory of Willpower for Strenuous Mental Activities Scale)の日本語版の再検査信頼性が十分に高いことも、今回の調査において初めて確認された。今後、これらの知見は心理学系の学術誌へ投稿するとともに、新規の調査や実験を追加することで更なる研究の精緻化を図る予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、一般サンプルを対象としたパネル調査の第2波を実施し、これまでに示した変数間の因果関係を縦断分析を用いてより精緻に検証することができた。他方、令和2年度における研究の中断によって、1年分の遅れが生じている。したがって、総合的に見て現在までの本研究の進捗状況はやや遅れていると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに得た知見を国内外にて発表するとともに、本研究課題の総まとめに向けて新規の調査や実験をおこなう。
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