他職種との比較による教師のエンパワーメントの特異性の検討
Project/Area Number |
19K14396
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 10020:Educational psychology-related
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Research Institution | Shigakkan University |
Principal Investigator |
池田 琴恵 至学館大学, 健康科学部, 准教授 (70734169)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2020: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | エンパワーメント / 教師 / 尺度構成 / ワークライフバランス / 職種の特異性 / 組織 / 比較 / 特異性 |
Outline of Research at the Start |
教師は子どもたちの成長発達を支える意義深い職業であるにも関わらず,長時間労働や精神的な負担の高さの問題が顕在化し,「ブラック」なイメージが定着しつつある。こうした現状の改善の視点として,“やらされる業務”から転換し,教師の自己決定に基づく教育活動や職務遂行を目指す「エンパワーメント」に着目した。しかし教師のみを対象とした研究知見からは,それが教師の特異性であるのか,またその特異性は何によって生じるのかが十分に実証されていない。本研究は,教師と他職種のエンパワーメントの比較を通じて,教師をパワーレスにする特有の要因を明らかにし,教師教育・学校組織のあり方について示唆を得ることを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は「エンパワーメント」の概念に関する歴史的変遷と実践的批判について文献調査を行った。エンパワーメント概念は,力を奪われた状態にある人やコミュニティが,自己決定,自己統制の力を高めることで,社会参加を高めるものであるが,文献調査においては,エンパワーメントという概念が多様な分野で議論される中で,時に個人主義的な視点から社会的な力を奪われた人々に対して,本人の努力や能力に原因を求めることでさらに状態を悪化させるものになっている危険性を含むことが明らかとなった。このことから本研究の目的の一つであるエンパワーメント概念の測定においては,対人関係や組織の状態のあり方を含めて検討することの必要性が明確になった。また,エンパワーメントは,その過程と状態を分けて測定することが困難な概念であると考えられた。 本研究では教師と他職種のエンパワーメントの特異性について検討することを目的としており,まずワークライフバランスも視野に入れたワーク・エンパワーメントの測定尺度を開発する必要がある。しかし,これまでの研究で示してきた自律性や効力感などの構成要素からなる個々人の心理的エンパワーメントの測定だけではなく,対人関係・組織状態の測定を含めることを目指すこととした。さらに,問題の認識から,対人関係・組織状態に対する認知や認知に基づく判断など,エンパワーメントの過程と状態の2つの視点を一体化して測定する方法を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当該期間における産休・育休およびコロナ禍に伴う研究計画の見直しを行った。また,文献調査の過程で,エンパワーメント概念の定義と測定の課題が明らかとなり,エンパワーメント概念の捉えなおしを行ったことで,調査内容を大幅に変更したため。
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Strategy for Future Research Activity |
エンパワーメント概念の捉えなおしに伴い,ワーク・エンパワーメントの測定尺度の開発において,自由記述法を用いた尺度項目の抽出を行うこととした。自由記述法による調査は,予備調査を経て,ウェブ調査会社を通じて幅広い職種を対象としたオンライン調査を行う予定である。 ここで抽出された項目をもとに,ワーク・エンパワーメントおよびワーク・エンパワーメントに影響を及ぼす要因に関する量的調査を実施する予定である。
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Report
(4 results)
Research Products
(3 results)