Project/Area Number |
19K14549
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 12010:Basic analysis-related
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Research Institution | Shizuoka University (2021-2023) Shinshu University (2019-2020) |
Principal Investigator |
岡村 和樹 静岡大学, 理学部, 講師 (20758784)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 確率論 / 確率過程 / ランダムウォーク / 冪平均 / スペクトル次元 / グラフ / パーコレーション / マルコフ連鎖 / ランプライターグラフ / 熱核 / 訪問点 / 確率幾何 / 測度距離空間 |
Outline of Research at the Start |
本研究では確率過程の研究を行う. 主に不均質な空間の上の確率過程を考察する. それは複雑な構造をもつ媒質の上の熱や波動の伝搬の数学的に厳密な解明を元来の動機としている.「空間の幾何学的性質がその上の確率過程の長時間挙動にどう影響するか」という問いの解明, より具体的には, パーコレーションの無限連結成分やランダム平面写像などの複雑なグラフ上のランダムウォークの長時間挙動, またその連続版である特異な測度距離空間上の拡散または飛躍過程の長時間挙動と短時間挙動を調べる. 均質な空間の上の確率過程での結果を拡張する形での結果を目指す.
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Outline of Annual Research Achievements |
1次元の過渡的なMarkov連鎖について符号の変化の回数を考察した。独立な確率変数の和の場合はある種の対称性がある場合に無限回の変化があることが知られているため、各点ごとに推移確率が異なる場合(時間一様的なMarkov連鎖の枠組み)を考察した。リバーシブルと呼ばれるクラスのものについては先行研究から比較的容易に無限回の変化があることが示せることが判明したため、符号の変化の回数の密度やエクスカーションと呼ばれる概念に相当するものを現在考察している。また、1次元の長距離パーコレーションと呼ばれるランダムグラフの場合にも類似の問題を考察している。 2023年8月に乙部厳己氏(信州大学)を訪問し、独立同分布な複素数値確率変数の冪平均に関して議論を行い、分数階微分の技法を用いて、確率変数の可積分性などの条件下で、冪平均の冪が-1から1までの間において、冪平均の期待値を特徴づけた。なお結果は冪が正の場合と負の場合とで分かれて記述される。また、上半平面上の分布であるPoincare分布などに対しては冪平均の期待値を具体的に計算し、それが冪の値によらず一定であることを証明した。また、分数階微分により、報告者が以前に得ていた実数上のCauchy分布の特徴づけについて、一般の実数上の分布に対して拡張することが可能になった。これはある種のモーメント問題であり、具体的には冪として複素数を許す場合に相当する。これらの結果をプレプリントにまとめてarXivに掲載し、また学術雑誌に投稿した。関連する口頭発表を2件行った。 2024年3月に久保田直樹氏(日本大学)を訪問し、ランダムコネクションモデルなどのEuclid空間内の長距離パーコレーション上のランダムウォークなどに関する議論を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初に望んでいた結果が得られているわけではないため。
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Strategy for Future Research Activity |
新たな問題設定を試みる。他分野との関連に注目する。そのために幅広く予備知識の獲得や情報収集に努める。
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