Probing Intermediate-mass Black Holes in the Galactic Center with the Observations of High-Velocity Compact Clouds
Project/Area Number |
19K14768
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 16010:Astronomy-related
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Research Institution | Kanagawa University (2020-2022) National Astronomical Observatory of Japan (2019) |
Principal Investigator |
竹川 俊也 神奈川大学, 工学部, 助教 (10827851)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2019: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | 銀河系中心 / 分子雲 / 中間質量ブラックホール / 星団 |
Outline of Research at the Start |
太陽の100倍から10万倍程度の質量を持つ「中間質量ブラックホール」の存在確認は、大部分の銀河の中心に潜むとされている超大質量ブラックホールの起源を解明する上で欠かせない重要なプロセスである。本研究では、研究代表者が銀河系中心領域に発見した特異分子雲に着目して、分子ガス・電離ガス・恒星の観測を主軸として中間質量ブラックホールの存在確認を目指す。加えて、銀河系中心領域の大規模サーベイに基づいて、同種特異分子雲のサンプルの拡充を試みる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、高速度コンパクト雲HCN-0.044-0.009およびHCN-0.085-0.094方向に発見された2つの超小型高速度コンパクト雲UCC1およびUCC2について、さらに観測・解析を推し進めた。これらUCCは、これまでに発見されている高速度コンパクト雲と同程度の速度幅(~50 km/s)を有する一方で、これまでに行なったALMA観測(1秒角分解能)においても空間分解はできておらず、その視直径は0.04 pc以下と極めて小さい。ALMA cycle 8において、空間分解能0.3秒角(銀河系中心において~0.01 pcに相当)の分子スペクトル線によるイメージング観測実施し、UCCの空間分解および運動・物理状態の把握を試みた。観測の結果、これら2つのUCCは極めてコンパクト(視直径~0.02-0.03 pc)な球形状の実態を有し、非常に急峻な速度勾配を示すことがわかった。特にUCC1については、様々な分子スペクトル線が有意に検出され、CS J=7-6およびJ=5-4輝線強度を用いた解析から、周囲の分子ガスに比べとりわけ高温かつ高密度であることがわかった。また、SiO J=6-5が強く検出されることから、強い衝撃波の影響を受けていることが示唆された。さらに、詳細な運動解析の結果、UCCの位置-速度構造は、点状重力源周りの回転運動で説明可能なことがわかった。想定される点状重力源の質量は~500-1000太陽質量であり、当該方向に他波長域に対応天体が検出されないことから、UCCはこれまでに銀河系内では報告例のない、比較的軽めの中間質量ブラックホールの可能性が示唆された。
加えて、野辺山45m電波望遠鏡の観測時間を購入し、銀河系中心領域の分子スペクトル線広域サーベイデータの拡充を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度までに発見したUCCをALMAにより詳細に追観測を行った結果、点状重力源の存在を示唆する回転運動の検出に成功した。点状重力源の存在やその正体については依然として議論の余地があるものの、これらはこれまでに銀河系中心領域で報告してきた比較的重めの中間質量ブラックホール(> 10^4太陽質量)よりも1桁以上質量の小さい軽めの中間質量ブラックホールの存在を示唆する重要な結果である。中間質量ブラックホールが潜む可能性のある候補地を新しく指摘できたことは大きな進展である。また、並行して推し進めている野辺山45m鏡を用いた銀河系中心領域の大規模サーベイ観測についても、データ拡充を試み、順調に観測・解析が進んだ。これらの成果をまとめた論文の準備には遅れが生じているものの、研究自体はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
2つのUCCについて回転運動を示唆する構造を検出できたものの、内部構造が詳細に把握できるほど十分に空間分解はできていない。次年度はALMA cycle 10にて、より高い空間分解能で観測を実施する計画である。これにより、軌道回転運動モデルの更なる精密化が期待でき、UCCの起源および中間質量ブラックホールの存在有無についてより深い議論が可能となる。観測が実施されるまでに、現在保有している分子スペクトル線データを更に精査し、2つのUCCおよびその周辺の分子ガスの物理状態を評価する。本研究課題で得られた結果を総合し成果を論文にまとめ研究期間内での出版を目指す。また、これまでの観測結果を踏まえて、野辺山45m鏡の観測時間を購入し更にサーベイ領域を拡大する予定である。
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Report
(4 results)
Research Products
(26 results)